問題
これから、あるクラスの中に少女を集める。
クラスの中に、同じ誕生日の少女が2人(以上)いる確率を50%以上にしたい。
何人の少女を集めればいいだろうか?
- 23人
- 78人
- 183人
- 365人
※閏年や双子は考えないものとする
さあ、解いてみよう!
手計算だと相当めんどう……というかほぼ不可能です。
4択の中から直感で選んでください。
少し下にスクロールすると答えがあります。
正解
23人
解説
直感を裏切る数
「誕生日問題」「誕生日のパラドックス」と呼ばれる有名な問題です。
23人の人間が集まれば、その中で同じ誕生日の人がいる確率は50%以上になります。
この問題が「パラドックス(矛盾)」と呼ばれるのは、結論が矛盾するからではなく、直感に反するきわめて奇妙な数字が正解だから––という事実に由来します。
冷静に考えれば、365 ÷ 2 = 182.5 に近い「183人」が正解になりそうなものです。
なぜ無作為に23人が集まるだけで、2回に1回は同じ誕生日の人が出てきてしまうのでしょう?
最大のポイント
もしこの問題が
「あなたがクラスに入ったとき、”あなたと同じ”誕生日の人がいる確率が50%を超えるには、何人の少女を集めればよいか?」
という問題なら、23人よりずっと多くの少女が必要になります。
しかし聞かれているのは
「クラスの中で誰でもいいから同じ誕生日の少女がいる」
という状況。
少女Aは、少女B,C,D,E,F…Wと同じ誕生日になればよく、
幼女Bは、少女C,D,E,F…Wと同じ誕生日になればよく、
つまり許容される組み合わせの数が膨大なので、23人という人数でも題意の確率を満たせるのです。
計算してみよう
前提
閏年や双子を考えないので、1年を365日と考え、また誕生日は365日とも等確率であるとします。
求めるのは「n人の中で同じ誕生日の人が少なくとも2人いる場合の確率」。
「少なくとも」が出てきたら反射的に「余事象」を使っちゃいましょう。
Aが起こる確率 = 1 – Aが起こらない確率
って感じのあれです。
P2 = n人の中で同じ誕生日の人が少なくとも2人いる場合の確率
P1 = n人全員が違う誕生日である確率
P2 = 1 – P1
つまり「n人全員が違う誕生日である確率」を求めれば、問題文の答えにたどりつけるわけです!
発展
「n人全員が違う誕生日である確率」を求める。
2人目の誕生日が1人目と異なっている確率は、364/365。
3人目の誕生日が1人目2人目と異なっている確率は、363/365。
以下同様に、4人目は 362/365、 5人目は361/365…、n人目は (365-n+1)/365 となる。
すなわち、n人の誕生日が全て異なる確率は以下のようにして求められる。
$$
p_{1}(n)={\frac {364}{365}}\cdot {\frac {363}{365}}\cdot {\frac {362}{365}}\cdot \cdots \cdot {\frac {365-n+1}{365}}
$$
まとめると
$$
p_{1}(n)={365! \over 365^{n}(365-n)!}
$$
つまり、求める確率は
$$
p_{2}(n)=1-{365! \over 365^{n}(365-n)!}
$$
となります!
これを計算すると、
n = 22 のとき P2 = 0.47569…
n = 23 のとき P2 = 0.50729…
となり、23人以上集まった時に初めて題意の確率が50%を超えることが示されます。
ちなみに70人が集まると同じ誕生日の少女がいる確率は99%を超えます(正確には0.99915…)
まとめ
いやー確率は面白いですねー。
直感に反する興味深い例がいくつもあるので、これからもお伝えしていければと思います。
ちなみに上記の誕生日の確率の計算ですが、階乗とか出てくるので普通の電卓ではできません。
関数電卓とかGoogleの電卓でやろうとしてもInfinity(無限大)って表示されて瞬殺のファイナルブリットを食らいます。
以下のサイトで計算が可能ですので、ご興味があればどうぞ。
参考
140字以内の問題文
これから、あるクラスの中に少女を集める。
クラスの中に、同じ誕生日の少女が2人(以上)いる確率を50%以上にしたい。
何人の少女を集めればいいだろうか?
・23人
・78人
・183人
・365人