問題
1〜9の数字をひとつずつ使った9桁の数字がある。
それを「ABCDEFGHI」と表現する。
この時、
- 最初の1桁”A”は1で割り切れる
- 最初の2桁”AB”は2で割り切れる
- 最初の3桁”ABC”は3で割り切れる
- 最初の4桁”ABCD”は4で割り切れる
- 最初の5桁”ABCDE”は5で割り切れる
- …
- 全9桁”ABCDEFGHI”は9で割り切れる
が成立する。
さて、ABCDEFGHIはどんな数字だろうか?
問題を解くにあたり、電卓を使ってもよい。
※補足
数字の各桁を足した数が3(もしくは9)で割り切れる
例:492
→ 4+9+2=15であり、15は3で割り切れるため、492も3で割り切れる
例:864
→ 8+6+4=18であり、18は9で割り切れるため、864も9で割り切れる
下2桁が4で割り切れる
例:120
→ 下2桁が20であり、20は4で割り切れるため、120も4で割り切れる
下3桁が8で割り切れる
例:999008
→ 下3桁が008であり、8は8で割り切れるため、999008も8で割り切れる
さあ、解いてみよう!
ありえる可能性は9! = 36万2880通り
最初から総当たりで考えるには多すぎるパターン数です。
いかにも時間がかかりそうな問題ですが、実際はかなりの数まで正解の候補をしぼることができます。
知力を駆使して、限界まで選択肢を減らしていきましょう。
少し下にスクロールすると答えがあります。
正解
381654729
解説
No.9
まず、
全9桁”ABCDEFGHI”は9で割り切れる
ということについて悩む必要はありません。
1+2+3+4+5+6+7+8+9 = 45
45は9で割り切れます。
つまり1〜9の数字をひとつずつ使った9桁の数字なら、どのように順序を入れ替えても必ず9で割り切れます。
なので、最後の桁”I”は後回しにしましょう。
2通りの5
次に考えるべきなのは「Eは何なのか」です。
ABCDEは5で割り切れます。
この数字を5で割り切るためには、Eに「0」か「5」のどちらかが入らないといけません。
ですが0は使われていません。
なので、Eに入る数字は5です。
偶数の位置
ABは2で割り切れる
ABCDは4で割り切れる
…
このことから、B,D,F,Hは偶数だと分かります。
言い換えると、B,D,F,Hには2,4,6,8のどれかが入るはずです。
3と6のトリック
ABCは3で割り切れるため、A+B+Cは3で割り切れます。
そして、D+5+Fも3で割り切れます。
「ABCD5Fは6で割り切れる数」ですが、6は「2の倍数」かつ「3の倍数」であるため、当然ABCD5Fは3で割り切れることになります。
すなわち、A+B+C+D+5+Fは3で割り切れる。
ここで「A+B+Cが3で割り切れる」という条件があるので、D+5+Fも3で割り切れるはずです。
そうでなければA+B+C+D+5+Fが3で割り切れなくなってしまうので。
まとめましょう。
- B,D,F,Hの候補は{2,4,6,8}
- D+5+Fは3で割り切れる
可能性のある「D5F」の数値を調べてみましょう。
- 254
- 256
- 258
- 452
- 456
- 458
- 652
- 654
- 658
- 852
- 854
- 856
「D5F」の正解としてあり得るのは258, 456, 654, 852 のどれか。
4の倍数
さて、”D”について考えてみましょう。
ABCDは4で割り切れます。
つまりCDは4で割り切れる数です。
Cは奇数で、CDは4で割り切れる。
Dが「4」「8」である時、これを満たすことはできません。
つまり「D5F」の正解としてあり得るのは258, 654, のどちらかひとつ。
あるいは
ABC 654 GHI
武力による制圧
ここからは力技になります。
「D5F」が「258」であると仮定して総当たりで考えてみましょう。
残った偶数{4, 6}をBとHに入れます。
A+B+Cが3の倍数になることも考慮に入れると、ありえるパターンは以下の8つ。
- 147258369
- 147258963
- 714258369
- 714258963
- 369258147
- 369258741
- 963258147
- 963258741
さて、ABCDEFGHIは8で割り切れます。
なのでFGHも8で割り切れます。
よってFGHが「836」「814」「874」になっている数字は候補から外れます。
- 147258963
- 714258963
このふたつの数字ですが、「ABCDEFGが7で割り切れる」というルールに反しているため、どちらも正解ではありません。
「ある数字が7の倍数かどうかの判別法」ですが……正直計算がめんどくさすぎて
実際に7で割ってみた方が早い
というミもフタもない結論になるので、問題文に書かれている通りここは電卓を使ってください。
これでようやく確定しました。
「D5F」は「654」です。
武力による解決
さて、「ABC654GH」は8で割り切れます。
ということは「4GH」は8で割り切れます。
残っている数字は{1,2,3,7,8,9}。
このうち末尾Hに入れられるのは{8,2}のどちらか。
しかしGが奇数なので、Hに8を入れた「4G8」は絶対に8の倍数になりません。
つまりHは{2}。
「4G2」を8の倍数にするためには、Gに{3,7}のいずれかを入れねばなりません。
そのパターンは以下の8つ。
- 987654321
- 789654321
- 381654729
- 183654729
- 981654327
- 189654327
- 981654723
- 189654723
このうち、ABCDEFGが7で割り切れるのは381654729のみ。
これが答えです。
おつかれさまでした。
まとめ
これで「7の倍数の判別法」が簡単だったらもっと有名な数学クイズになっていたはずです。
ちなみにその「7の倍数の判別法」ですが、以下の通りです。
3桁ずつ数を区切り、奇数区画の和と偶数区画の和が等しい、または、それらの差が7の倍数であるとき、元となる自然数は7の倍数である
うん。
普通に割ってみた方が早い