とてもカンタンなのに、多くの人がまちがえる。
答えを聞いても納得できない。
でも、面白い。
世界で一番有名な確率問題「モンティ・ホール問題」を紹介します!
※「モンティホール・パラドックス」「モンティホール・ジレンマ」と呼ばれることもあります
問題
3つのドアがある。
どれか1つが「当たり」で、残りの2つは「外れ」である。
「当たり」のドアを開けると景品があるが、「外れ」のドアを開けても何もない。
あなたはドアを1つ選んだ。
その後、正解を知っている司会者(モンティ)が、あなたが選ばなかった2つのうち「外れ」のドアを1つ選んで開けた。
ここであなたは、「最初に選んだドア」と「残っているドア」のうち、好きな方を選べる。
ドアの選択はこのままでいいだろうか?
それとも変えるべきだろうか?
さあ、解いてみよう!
「変えても変えなくても当たる確率は1/2なのでは?」
って思っちゃいます。
ふつうに考えたらそうですよね。
違います。
ヒントはなし。
少し下にスクロールすると答えがあります。
正解
変えた方がいい
ドアを変えると当たる確率は2倍になる
解説
概要
この問題は、アメリカのゲームショー番組「Let’s make a deal」にて行われたゲームが元になっています。
その番組の司会者の名前が「モンティ・ホール」だったので、このような名称で広く知られています。
「ドアを変えると確率が2倍になる」という直感に反する答えが多くの反論を呼び、その中には1000人近くの博士号所持者も含まれるほどでした。
直感に反する正解
- 2つのドア
- 1つは当たり
- 1つは外れ
ならば、結局どちらを選んでも変わらない。
確率は1/2のままなのでは?
そう考えてしまいがちです。
ところが実際には、ドアを変えなかった場合に当たる確率は1/3(約33%)で、ドアを変えると当たる確率は2/3(約66%)になります。
実際に解いてみる
あなたが最初に選んだドアを「A」として、3つのドアに「A」「B」「C」という名前をつけます。
1/3の確率でAが当たり。
1/3の確率でBが当たり。
1/3の確率でCが当たり。
つまり起こりうる可能性は以下の3パターン。
司会者の行動 | A(選んだドア) | B | C | 起きる確率 |
BかCを開く | ◯ | × | × | 1/3 |
Cを開く | × | ◯ | × | 1/3 |
Bを開く | × | × | ◯ | 1/3 |
◯––当たり
×––外れ
ここまでは問題ありません。
では、「ドアを変えない」「変える」それぞれの場合を考えていきましょう。
「最初に選んだドア」を変えなかった場合
最初のドアAが当たりである確率は1/3。
司会者がB,Cのドアを開く確率は1/2ずつ。
「最初に選んだドアAが当たりである確率」は
= (ドアAが当たり × 司会者がBを開く) + (ドアAが当たり × 司会者がCを開く)
= (1/3 × 1/2) + (1/3 × 1/2)
= 1/3
以上より、ドアを変えない場合、最終的に当たる確率は1/3です。
問題の終盤において、
「はじめからドアは2つしかなかった」
のではなく
「3つあったドアのうち、外れのドア1つの位置がわかっただけ」
という状況であることに注意してください。
「最初に選んだドア」を「残ったドア」に変えた場合
最初のドアAが外れである確率は2/3。
ドアAが外れだった場合、司会者は必ず”A以外の”外れのドアを開きます。
司会者の行動に確率的な事象は存在しません。
「残ったドア」が当たりです。
つまり「最初に選んだドア」を「残ったドア」に変えた場合、最終的に当たる確率は2/3です。
なぜ1/2ではないのか?
この問題のポイントは、
正解を知っている司会者が絶対に「外れのドア」を開ける
という部分にあります。
一見するとこの行為によって
「最後に残ったドアは2つ」
「当たりは1つ」
「だから1/2だ!」
と私たちは思いこんでしまいます。
ですがよく考えてみると、この司会者の行動は
「1つのドアを選ぶか」
「2つのドアを選ぶか」
という選択肢を与えているだけだと気づきます。
最初に選んだドアを変えない場合。
これは「1つのドアを選んだ」状態です。
当たる確率は1/3。
当然ですね。
最初に選んだドアを変えた場合。
これは「2つのドアを選んだ」状態になります。
3つあるドアのうち、2つを選んだ。
だから当たる確率は2/3になるのです。
司会者はどんな時でも「最初に選ばれなかった2つのドア」のうち「外れのドア」を開けます。
必ずです。
100%そうします。
ということは、
「最初に選ばなかった2つのドアのうちどちらか1つは外れですが、2つのドアの方に選択を変えますか?」
「2つのドアの方に当たりがあればあなたの勝ちです」
と言っているのと何も変わりません。
なので、「最初に選んだドアを変えない」と確率は1/3のまま、「選んだドアを変える」と確率は2/3に上昇するのです。
まとめ
実際のところ、この問題を完全に納得するまで理解するのはやや難しいものです。
「残った2つのドアのうち当たりは1つ」という状況だと、どうしても直感が「1/2」と答えてしまいますので。
下に載せるWikipediaの記事がかなり詳しいので、さらに調べたい方はリンクを辿ると幸せになれるでしょう。