数学クイズ「帽子を忘れた少女」は直感に反する答えで有名

「幼女の論理クイズ」とは打って変わって数学知識がオンパレードでラッシュする「少女の数学クイズ」シリーズ。

伝説となった超有名問題で、確率の不思議をお楽しみください。

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問題

5回に1回の割合で帽子を忘れるくせのある少女が、3軒の家を順番に訪れて家に帰ったとき、帽子を忘れてきたことに気がついた。
少女が2軒目の家に帽子を忘れてきた確率は?

  1. 16/125(約12%)
  2. 4/25(約16%)
  3. 20/61(約32%)

さあ、解いてみよう!

ヒントはなし。

少し下にスクロールすると答えがあります。

 

 

 

 

正解

20/61(約32%)

解説

前提

何やらおかしなことになりました。

普通に考えたら、

$$
\frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 1 }{ 5 } = \frac{ 4 }{ 25 }
$$

でいいはずです。

どこが間違っていたのでしょう?

\( \frac{ 20 }{ 61 } \)という数値は一体どこから出てきたのか?

実はこれは普通の確率の問題ではありません。

当問は、1976年に早稲田大学の入学試験で出題された条件付き確率の問題が元となっています。

※実在の問題で登場するのは「Kくん」です

確率の基本

確率の基本公式は

$$
{事象Aが起こる確率} = \frac{ 事象Aの場合の数 }{ 起こりうる全ての場合の数 }
$$

で示されます。

「サイコロを投げた時、奇数が出る確率は?」
という問題に対しては、

奇数={1,3,5}の3通り
全体={1,2,3,4,5,6}の6通り

なので \( \frac{ 3 }{ 6 } = \frac{ 1 }{ 3 } \) という答えが出ます。

まあ当然ですね。

さらに確率には「起こりうる全ての確率を足すと1(=100%)になる」という性質があります。

「サイコロで1,2が出る確率」と
「サイコロで3,4が出る確率」と
「サイコロで5,6が出る確率」を足すと、
\( \frac{ 1 }{ 3 } + \frac{ 1 }{ 3 } + \frac{ 1 }{ 3 } = 1 \)になります。

これも当然ですね。

最大のポイント

ここからが本題です。

問題文をよく読んでみましょう。

5回に1回の割合で帽子を忘れるくせのある少女が、3軒の家を順番に訪れて家に帰ったとき、帽子を忘れてきたことに気がついた。

少女は、どこかの家に帽子を忘れています。

仮にこの問題が、

5回に1回の割合で帽子を忘れるくせのある少女が、3軒の家を順番に訪れて家に帰ったとき、2軒目の家に帽子を忘れてくる確率は?

であれば確率の乗法定理より答えは\( \frac{ 4 }{ 25 } \)で問題ありません。

しかし、少女が帽子を忘れたことは確定しています。

この時点で、「少女が帽子をどの家にも忘れてこなかった」という可能性は0になるため、その確率は除外して考えねばなりません。

$$
\frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 1 }{ 5 } = \frac{ 4 }{ 25 }
$$

という計算は、少女が帽子をどの家にも忘れてこなかった確率が含まれることを前提にしてしまっています。

$$
{1軒目に忘れた確率} = \frac{ 1 }{ 5 }
$$

$$
{2軒目に忘れた確率} = \frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 1 }{ 5 } = \frac{ 4 }{ 25 }
$$

$$
{3軒目に忘れた確率} = \frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 1 }{ 5 } \times \frac{ 4 }{ 5 } = \frac{ 16 }{ 125 }
$$

$$
{どの家にも忘れなかった確率} = \frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 4 }{ 5 } = \frac{ 64 }{ 125 }
$$

$$
1軒目で忘れた確率 + \\
2軒目で忘れた確率 + \\
3軒目で忘れた確率 + \\
どの家にも帽子を忘れなかった確率 \\
= \frac{ 1 }{ 5 } + \frac{ 4 }{ 25 } + \frac{ 16 }{ 125 } + \frac{ 64 }{ 125 } = 1
$$

\( \frac{ 4 }{ 25 } \) は、少女が帽子を忘れていない場合を前提にした確率。

なので、計算方法を少し変えなければなりません。

条件付き確率

とは言っても難しいことはしません。

「条件付き確率」を使うだけです。

Bが起こるという条件下でAの起こる確率(条件付き確率)は
$$
{P(A\mid B)={\frac {P(A\cap B)}{P(B)}}}
$$
により示されまワケわかんないなこれ。

サイコロで例えます。

サイコロを振ったら目は偶数だと判明した。
サイコロの目が6である確率は?

の時、
「偶数は確定した状態で、サイコロの目が6である確率」は

$$
{P(6である\mid 偶数)={\frac {P(6であり\cap 偶数である確率)}{P(偶数である確率)}}}
$$

すなわち

$$
\frac {偶数かつ6である確率}{偶数である確率} \\
= \frac {\frac {1}{6}} {\frac {3}{6}} = \frac {1}{3}
$$

以上より\( \frac{ 1 }{ 3 } \) が答えとなります。

考えるな。
感じろ。

数学はフィーリング。

結論

さて、この問題が「条件付き確率」を使うべきだと分かりました。

先の公式を当てはめると、求めるべきは
$$
P(2軒目で忘れた確率 \mid 帽子を忘れた確率)
$$
という条件付き確率です。

これを展開すると
$$
=\frac{ {P(帽子を忘れた確率 \cap 2軒目で忘れた確率)} }{ P(帽子を忘れた確率) } 
$$
になるので、さっそく使う武器を集めましょう。

「帽子を忘れた(どこかに帽子を忘れてきた確率)」
\(1 – (どこにも帽子を忘れていない確率) \)
\(= 1 – ( \frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 4 }{ 5 } ) \)
\(= \frac{ 61 }{ 125 } \)

※1軒目で忘れた確率+2軒目で忘れた確率+3軒目で忘れた確率
\( = \frac{ 1 }{ 5 } + \frac{ 4 }{ 25 } + \frac{ 16 }{ 125 } = \frac{ 61 }{ 125 } \)
としてもいいです

「2軒目に帽子を忘れた確率」
\( \frac{ 4 }{ 5 } \times \frac{ 1 }{ 5 } = \frac{ 4 }{ 25 } \)

ここから、
$$
\frac{ {P(帽子を忘れた確率 \cap 2軒目で忘れた確率)} }{ P(帽子を忘れた確率) } 
$$
すなわち
$$
=\frac{ \frac{4}{25} }{ \frac{61}{125} } = \frac{20}{61}
$$
となり、最終的な答え\( \frac{ 20 }{ 61 } \)にたどりつきました!

おめでとうございました!!!

まとめ

確率って面白いですね!!!

140字以内の問題文

5回に1回の割合で帽子を忘れるくせのある少女が、3軒の家を順番に訪れて家に帰ったとき、帽子を忘れてきたことに気がついた。
少女が2軒目の家に帽子を忘れてきた確率は?

・16/125(約12%)
・4/25(約16%)
・20/61(約32%)