難問論理クイズ「幼女と7人の幼女」の二層構造を見抜けるか

問題

幼女が大切にしていたケーキを誰かに食べられてしまった。

幼女は、犯人の可能性がある幼女7人(A〜G)を呼び出した。

7人の幼女(A〜G)の正体は、天使か悪魔である。
天使は常に真実を言い、悪魔は常に嘘をつく。

幼女は、7人の幼女に対し次の質問をした。

1) あなたはケーキを食べた?
2) 7人のうち犯人は何人?
3) 7人のうち天使は何人?

7人の幼女は以下のように答えた。

A:はい。1。1
B:はい。3。3
C:いいえ。2。2
D:いいえ。4。1
E:いいえ。3。3
F:いいえ。3。3
G:はい。2。2

さて、ケーキを食べたのは一体誰なのか?

ただし犯人は必ずしも1人とは限らない。

また、7人の幼女の中に少なくとも1人は天使がいることが分かっている。

さあ、解いてみよう!

錯綜する情報をうまく解きほぐせるかどうか。

混乱せずにひとつずつ対処していきましょう。

以下では「問題のポイント」「ヒント」「正解」「解説」と続きます。

問題のポイント

多すぎる情報量

幼女は、7人の幼女に対し次の質問をした。

1) あなたはケーキを食べた?
2) 7人のうち犯人は何人?
3) 7人のうち天使は何人?

難問論理クイズに分類される「幼女とダイヤル錠の部屋」「幼女と隠された運動会」、あるいは「幼女と石像の部屋」「幼女とチェス盤の部屋」でもそうですが、いつも決まって少なすぎる情報量が解答者を悩ませてきました。

本問では逆に、それに応えたかのような「大量の情報」が乱舞する構成となっています。

複雑な二層構造

7人の幼女(A〜G)の正体は、天使か悪魔である。

さて、ケーキを食べたのは一体誰なのか?

この問題の最大の特徴となるのが、「誰が天使で誰が悪魔なのか」のみならず「誰がケーキを食べたのか」を見抜かなければいけない所です。

通常、この手の問題では「天使と悪魔を識別すれば解決」というものが多く見られます。

しかし本問で聞かれているのは「ケーキを食べたのは誰か」という点。

天使がケーキを食べたのかもしれないし、悪魔はケーキを食べていないのかもしれないし、複数の天使と悪魔がケーキを食べたのかもしれない。

さすがに「天使と悪魔を区別せずにケーキを食べた犯人を探し出す」なんて離れ業ができるとは思いたくないところ。

どうやら「天使と悪魔を区別し、その上で犯人を探す」という方針になりそうです。

以下、少し下にスクロールするとヒント編が始まります。

 

 

 

 

ヒント

第1のヒント

まず着目すべきなのは、2番目の質問

第2のヒント

2番目の質問に同じ答えを返している幼女をグループ化して考える

最後のヒント

少なくとも1人は天使がいる

正解

ケーキを食べたのは幼女B,C,D

解説

まずはとっかかりを見つけよう

一見するとかなり複雑に見える問題です。

論理クイズには必ず「シンプルな一歩目」があるので、こういう時はまず解答の糸口を探しましょう。

カギになるのはだいたい「特殊な条件付け」。

本問の場合は、注釈に示された「7人の幼女の中に少なくとも1人は天使がいることが分かっている」という一文です。

少なくとも天使が1人いる

本問において最も重要となる要素です。

これを頭に入れて、順を追って考えていきましょう。

3つの質問の特性を考える

幼女が行った質問のうち、どれが「とっかかり」になるかを考察します。

1) あなたはケーキを食べた?

これは、本問の最後の最後に考慮されるべき質問です。

情報の正誤を確定できないからです。

これに「はい」と答えた場合、「天使かつ犯人」「悪魔かつ無実」の両方が考えられます。

全体における天使と悪魔の内訳が未確定である初期段階では、ひとりひとりの場合分けを考えていっても原理的に解答に到達できません。

3) 7人のうち天使は何人?

1番目の質問に比べたら解法のヒントになりそうです。

ただ、これで幼女をグループ化しても結局は2番目の質問でのグループ化と同じような分け方になりそうです。

2) 7人のうち犯人は何人?

というわけで、正解を探るにはまず2番目の質問の答えで幼女をグループ化してみましょう。

犯人は何人?

さて、「2) 7人のうち犯人は何人?」という質問に対して同じ人数を挙げている幼女をグループ化しました。

A「犯人は1人」
D「犯人は4人」
C,G「犯人は2人」
B,E,F「犯人は3人」

それぞれについて考察します。

A「犯人は1人」

Aの発言の要旨は
「自分が犯人」
「犯人は1人」
「天使は1人」
というもの。

まず、Aが天使だと仮定します。

となるとA以外は全員悪魔になります。

すると、「自分は犯人ではない」と述べている悪魔C,D,E,Fが犯人に含まれます。

これは「天使は1人だけ」というA自身の発言と矛盾します。

以上より、
「Aは悪魔だが犯人ではない」
「天使は1人ではない」
ということが確定します。

D「犯人は4人」

Dの発言の要旨は
「自分は無実」
「犯人は4人」
「天使は1人」
というもの。

Aの発言より、天使は1人ではないことが分かっています。

すなわち発言に矛盾があるDは悪魔です。

ここで、
「Dは悪魔であり犯人」
ということが確定します。

C,Gの発言

C「自分は無実で、犯人は2人、天使は2人」
G「自分は犯人で、犯人は2人、天使は2人」

言及している「犯人」と「天使」の人数が一致していることから、D,Gの発言の真偽は連動するはずです。

C,Gが天使である場合を考えてみましょう。

「天使は2人」なのでC,G以外は全員悪魔。

D,E,Fも当然悪魔です。
D,E,Fは「自分は無実」と言っているので、彼女たち3人は犯人です。

しかしこれでは、Gも含めたD,E,Fの4人が犯人となり、「犯人は2人」というG自身の発言と矛盾します。

つまり、C,Gは天使ではなく悪魔です。

以上より
「Cは悪魔であり犯人」
「Gは悪魔だが無実」

ということが確定します。

B,E,Fの発言

B「自分は犯人で、犯人は3人で、天使は3人」
E「自分は無実で、犯人は3人で、天使は3人」
F「自分は無実で、犯人は3人で、天使は3人」

いよいよ大詰めです。

今までの状況を振り返ってみましょう。

B,E,F以外の4人の幼女はすべて悪魔でした。
CとDは犯人です。

さて、本問には「少なくとも天使は1人いる」という条件が存在しました。

つまりB,E,Fの誰かが天使です。

そしてB,E,Fの「犯人」「天使」に関する言及が一致している以上、B,E,Fの全員が天使であるとここで確定します。

あとは簡単。

天使はB,E,Fの3人。

そして犯人は、悪魔であるC,Dと、自分が犯人だと告白している天使Bの3人です。

7人の幼女の内訳

幼女 天使or悪魔 無実or犯人
幼女A 悪魔 無実
幼女B 天使 犯人
幼女C 悪魔 犯人
幼女D 悪魔 犯人
幼女E 天使 無実
幼女F 天使 無実
幼女G 悪魔 無実

まとめ

なかなか解きごたえのある問題でしたね。

こういう「ひとつひとつ解きほぐしていく」タイプの論理クイズを突破できると爽快です。

参考

NSA’s 2016 Puzzle Periodical

本論理クイズは、上記サイトより問題文の要旨を引用いたしました。

140字以内の問題文

幼女7人の誰かがケーキをつまみ食い。幼女は常に正直な天使(1人以上)か常に嘘つきの悪魔。
1)ケーキ食べた?
2)犯人は何人?
3)天使は何人?
A:はい,1,1
B:はい,3,3
C:No,2,2
D:No,4,1
E:No,3,3
F:No,3,3
G:はい,2,2
犯人は?