これが世界一古いクイズです。
問題
建物がある。
そこに入るとき、人は目を閉じている。
そこから出るとき、人の目は開いている。
この建物とは何だろうか?
さあ、解いてみよう!
「世界最古のクイズ」として知られる問題です。
本当はもっと長い問題文なのですが、簡略化されたこの文章の方が有名になっています。
クイズというか「なぞなぞ」に近いので、かるく考えてみましょう。
少し下にスクロールすると答えがあります。
正解
学校
解説
学校に入る前、人は目を閉じている。
「何も見えていない」「何も分からない」状態。
学校から出ると、人は目を開けている。
「ものの見方が分かった」「見えるものが増えた」状態。
知識はチカラ。
学ぶことは強くなること。
知ることは世界を広げること。
というわけで正解は学校です。
この意味は大人になるとよく分かる…!!
さて、この「世界最古のクイズ」は紀元前18世紀に考案されたものです。
今から3700年くらい前ですね。
1960年。
E.I.ゴードンという学者が、古代シュメール楔形文字を解読して『25のクイズ』という本を出版しました。
シュメールとは世界最古の文明である古代メソポタミアの最南端に位置する地域で、人類最古の文明のひとつと考えられています。
ちなみに楔形文字はシュメール人が発明したもので、世界最古の記録文字です。
上記のクイズはまさに3700年前の、人間が記録というものを始めた時から存在するものなのです。
このクイズはE.I.ゴードンによって翻訳されたものであり、本来は下記のように長い問題文となっています。
その建物は空に近い場所にある
その建物は秘密の箱のように、ベールで覆い隠されている
その建物はクオリティー高くつくられている
誰かがそこに入る時、その目は閉じている
だがそこから出る時、その目は開いている
「学校」というこの解答は、なんだかロマンチックですね。
ミゲル・シビルというスペイン人の考古学者は、1987年に『シュメール人のなぞなぞ:全集』という著作を発表しました。
その中でこの「世界最古のクイズ」にも触れています。
シビルはこう言いました。
「私たちがこの文章をクイズだと理解できたのは、楔形文字の”ki-búr-bi”が「解決」「正解」を意味するものだったからだ」
ただ、「クイズ」「なぞなぞ」を意味する楔形文字が何なのかは、いまだに解読できていません。
この「世界最古のクイズ」は、遠い昔の人たちの生活を私たちに伝えてくれています。
−−たとえば、「学んで知識を獲得していくことが、自分の世界を広げる何よりも重要なことだ」と言っていること、とか。
それから3700年たった今でも、学ぶことの重要性は変わりません。
きっとこれからも。
参考
This Ancient Sumerian Logic Puzzle Is Believed to Be One of the First Riddles Ever Written