論理クイズ「幼女と3枚のカード」で白黒ハッキリつけられるか?

シンプルな問題です。

ただし、今回テーマになるのは「確率」。

カンタンそうでムズかしいこの分野。
直感で答えると間違えます。

問題

幼女の目の前に3枚のカードが置かれている。

1枚目のカードは両面が黒色に、
2枚目のカードは両面が白色に、
3枚目のカードは片面が黒色、もう片面が白色に塗られている。

箱の中に3枚のカードを入れてよくかきまぜ、その中の1枚を引き出した。
カードの表面は白だった。

さて、このカードの裏面が白である確率は?

さあ、解いてみよう!

一見、あまりにも簡単に見えます。

どう考えても答えは一種類しかないように思えるからです。

注意深く考えられる方なら、罠にかかることなく正解にたどりつくでしょう。

少し下にスクロールすると正解があります。

 

 

 

 

 

正解

2/3
(約66.6%)

解説

確率の謎

1/2
(50%)

だと思った方も多いのではないでしょうか。

2/3という答えはいったいどこから出てきたのか?

普通に考えるなら、

「片面が白ということは、そのカードは「白白」か「黒白」のどちらか。
ならばそのカードが「白白」である確率は1/2」

という展開になります。

非常に論理的です。

ただし、この論理にはひとつだけ盲点があります。

確率の基本

本格的な解説に入る前に、確率の基本をおさらいしておきましょう。

「何かが起こる確率」は、

(それが起こる場合の数) ÷ (起こりうるすべての場合の数)

で計算できます。

学生時代から「場合の数って何なんだ……」とお思いだった方は「パターンの数」と読み替えてください。

今回の場合は

「幼女の引いたカードの裏面が白である確率」
= (幼女の引いたカードの裏面が白であるパターンの数) ÷ (カードの片面が白であるパターンの数)

で表され……ま……す。

やばい余計にわかりにくい。

ちょっとここ飛ばしてください。

整理して解決

1枚目のカード 2枚目のカード 3枚目のカード
片面の色
もう片面の色

さて、上の表をよくご覧ください。

幼女が引いたのは「片面が白」というカード1枚です。

幼女は、引いたカードの片面しか確認していません。

幼女が引いて、見た可能性があるのは以下の3通り。

  • 2枚目のカードの白面を見た
  • 2枚目のカードのもう片方の白面を見た
  • 3枚目のカードの白面を見た

「幼女が引いたカード」自体は「2枚目のカード」「3枚目のカード」のどちらか2通りです。

しかし、「幼女が引いたカードの状況」 = 「幼女が引いたカードは片面が白だった」という状態は上記3通りがありえます。

幼女が引いたカード(の状態)は全部で3通り。
そのうち、裏面が白である(状態)パターンは2通り。

したがって、2/3(約66.6%)が答えです。

まとめ

なんとなくモヤっとする方は実際に試してみてください。

「確率」という分野は、じつに爽快に直感を裏切ってくれるので論理クイズとの親和性が高く、ぼくは大好きです。

ただ、どこまで「事前知識がいらない」が売りの「論理クイズ」に含めていいか迷います。

そのうち数学好きな人向けの「少女の数学クイズ」とかいうシリーズを作って「モンティホール問題」とか「誕生日のパラドックス」とか「帽子を忘れた少女」とか「精密検査をする少女」とかあーーーーめっちゃ書きたいーーーー。

いつか。

たぶんいつか記事にします。

……たぶん。

140字以内の問題文

幼女の目の前に3枚のカードが置かれている。

1.両面が黒色のカード
2.両面が白色のカード
3.片面が黒色、もう片面が白色のカード

箱の中に3枚のカードを入れてよくかきまぜ、その中の1枚を引き出した。
カードの表面は白だった。

さて、このカードの裏面が白である確率は?