論理クイズ「幼女と3人の射撃戦」で状況把握能力を鍛えよう

問題

3人の幼女ABCが水鉄砲を交互に撃ち合う射撃戦を行う。

水鉄砲に撃たれた幼女は脱落する。

水鉄砲を撃つ順番はA→B→C→A→B→C…以下、脱落者が2人になるまで続き、最後まで残った幼女が勝者である。

それぞれの幼女は射撃能力に差がある。

Aの命中率は30%
Bの命中率は50%
Cの命中率は100%

すべての幼女はきわめて合理的で、つねに自分が勝者になるための最善の行動を取る。

さて、Aがこのゲームに勝つための最適な行動とは?

さあ、解いてみよう!

ヒントはなし!

少し下にスクロールすると答えがあります。

 

 

 

 

正解

Aは初回のターンでわざと水鉄砲を外す

解説

通常の進行

AがBを狙って水鉄砲を撃ち、命中したとします。
Bが脱落したので、次の射撃はCのターン。
Cは命中率100%の腕でAを撃ち抜き、確実にCが勝者になります。
つまり、Aが最初のターンでBを狙うことは最もしてはいけない選択です。

AがCを狙って水鉄砲を撃ち、命中したとします。
次はBのターンで、以後BとAは互いを狙って撃ち合いますが、Aの命中率30%に対しBの命中率は50%で、しかもBはAに先行して射撃の権利を得ることができます。
Aにとっては、できれば避けたい状況です。

特異な進行

そこでAに必要となるのが、「初回はわざと水鉄砲を外す」という選択肢。

この状況でBに射撃のターンが回るとどうなるか?

Cにとっては、命中率30%のAと命中率50%のBを比較した時、撃ち合いになったら命中率の高いBが残っている方がやっかいです。

つまり、AもBも無事の状態でCに射撃のターンが回ったら、Cは確実にBを狙って撃ちます。

これを事前に避けるため、BはCを狙って撃たねばなりません。

もしBがCに命中させたら、AとBが残ってAの射撃ターン。
もしBがCに命中させられなかったら、CがBに100%命中させ、AとCが残ってAの射撃ターン。

つまりAは初回の射撃をわざと外すことで、1対1でなおかつ自分が先に相手を撃てる状態を作り出すことができます。

これが、Aにとっての最適戦略です。

具体的にいうと、Aが初回のターンで誰かに水鉄砲を命中させてしまった時のAの最終勝率は15%(Bが50%で外しAが30%で当てる)ですが、Aが初回のターンでわざと外した時のAの最終勝率は30%(Aは誰にも狙われずに2回目のターンが回ってくる)です。

まとめ

「命中率が誰よりも低いから狙われる優先順位が低い」という特性を逆手に取った発想の問題でした。

実に面白い。

参考

Puzzle 63 | Paper ball and three friends

140字以内の問題文

3人の幼女ABCが水鉄砲による射撃戦を行う
水鉄砲を撃つ順番はA→B→C→A→…で、水鉄砲に撃たれると脱落し最後まで残った幼女が勝者

Aの命中率は30%
Bの命中率は50%
Cの命中率は100%

幼女は合理的で常に自分が勝つための最適行動を取る
Aが勝つための最適行動は?