問題
幼女A,B,Cが帽子をかぶらされ、円形に座っている。
幼女たちはお互いにコミュニケーションがとれない。
帽子の色は「赤」か「青」か「白」。
3人とも赤、3人ともちがう色、というパターンもありえる。
自分の帽子の色は見えないが、自分以外の2人の帽子の色は見える。
いま、3人の幼女は同時に「自分の帽子の色」を宣言する。
このとき、3人のうち少なくとも1人が正解しなければならない。
幼女たちは帽子をかぶらされる前に相談ができる。
どのような戦略をとればいいだろうか?
さあ、解いてみよう!
どこかで見たことがある……!
と感じた方は正解です
本問は論理クイズ「幼女と50%の帽子」で正解を探せの上級編になっています。
ただ、解き方まで同じとは限りません。
3人になったことで、異なる戦略が求められるかも……。
少し下にスクロールすると答えがあります。
正解
帽子の色を
赤 = 0
青 = 1
白 = 2
と数字に置きかえる。
それぞれの幼女は、3人の合計が(0,3,6)もしくは(1,4)もしくは(2,5)になるように自分の色を宣言する
解説
んん。
ワケわからないですね。
ひとつずつ考えていきましょう。
戦略の方向性
まず大前提として、幼女たちは「3人のうち少なくとも1人が自分の帽子の色を当てればいい」という状況です。
ということは、「どんな状態でも必ず1人以上(できれば2〜3人)は自分の色を当てる」という戦略が望ましいわけですが……。
本問の答えは「1人は必ず当たるが、残り2人は必ず外れる」という戦略になります。
「1人以上は必ず当たる戦略」ではなく「当たるのは必ず1人のみ」という点に注意してください。
パターンを制限する
Aが白で……Bが青で……Cも青だったら……。
幼女3人の帽子の色のパターンは27通り。
幼女3人の回答パターンも27通り。
細かく考えていくとキリがありません。
こんな時に有効なのが、パターンを限定すること。
なんとかして幼女3人の帽子の色のパターンを「パターン1」「パターン2」「パターン3」に限定できれば、あとはABCの幼女がそれぞれのパターンを宣言するだけで完了です。
では、いったいどのようにパターンを制限すればよいのでしょう?
3色の帽子、3パターンの合計
結論から言うと、「帽子の色を数字におきかえる」ことであらゆる状況を3パターンに限定できます。
具体的には
- 帽子の色を数字に置きかえる
- 役割を決めておく
- 自分以外の帽子を見て、計算し、役割に従って帽子の色を宣言する
という3ステップが必要になります。
数字、役割、計算
まず、帽子の色を以下の数字に置き換えます。
赤 = 0
青 = 1
白 = 2
そして、幼女Aは「全員の合計が0か3か6になるような色」を宣言し、
幼女Bは「全員の合計が1か4になるような色」を宣言し、
幼女Cは「全員の合計が2か5になるような色」を宣言します。
これでOKです。
いかなる状況でも、3人の幼女のうち必ず1人だけが自分の帽子の色を当てます。
ちょっと分かりにくいので、こう言いかえてみいましょう。
幼女Aは「全員の合計値を3で割った時の余りが0になるような色」を宣言し、
幼女Bは「全員の合計値を3で割った時の余りが1になるような色」を宣言し、
幼女Cは「全員の合計値を3で割った時の余りが2になるような色」を宣言します。
なぜこれで上手くいくのか?
赤 = 0
青 = 1
白 = 2
と考えた時、幼女3人の帽子の色の合計値は、3で割った時に「余り0」「余り1」「余り2」のどれかになります。
たとえば3人の帽子が「赤」「青」「白」なら、色の合計値は3。
合計値3を3で割ったら「余り0」。
3人の帽子が「青」「青」「白」なら、色の合計値は4。
合計値4を3で割ったら「余り1」。
3人の帽子の合計値は、以下の3パターンしかありません。
合計値を3で割った時に、余りが
・0になるか
・1になるか
・2になるか
この3パターンのみ。
ということはつまり、事前に幼女3人がこの3パターンを「決め打ち」すると相談しておけばいいわけです。
A:合計値の余りが0になるように自分の帽子の色を宣言
B:合計値の余りが1になるように自分の帽子の色を宣言
C:合計値の余りが2になるように自分の帽子の色を宣言
実際の進行
3人の帽子が以下の状態になったとします。
Aの帽子:青
Bの帽子:青
Cの帽子:白
ここから幼女3人は、帽子の色を数字に変換します。
Aの数字:1
Bの数字:1
Cの数字:2
以下は幼女たちの思考です。
3人の合計値は4なので、「合計値の余り」が1であることを覚えて読み進めてください。
A「BとCの合計は3だから、私は0(赤)!」(不正解)
B「AとCの合計は3だから、私は1(青)!」(正解)
C「AとBの合計は2だから、私は0(赤)!」(不正解)
1人は「最初のパターン」だった時のための宣言をし、
1人は「2番目のパターン」だった時のための宣言をし、
1人は「最後のパターン」だった時のための宣言をする。
このようにして、3人の幼女のうち少なくとも1人が自分の帽子の色を当てられるのです。
まとめ
結局、この論理クイズは
- 3人で「0〜2」のカードを持ち合う
- 少なくとも1人が、カード3枚の「合計値の余り」を当てる
という構造と同じです。
解法はわかりやすいけれど、「なぜそれで正解するのか」をきちんと納得しようとすると難しい問題でしたね。