難問論理クイズ「幼女と33%の帽子」でさらに正解を探せ

問題

幼女A,B,Cが帽子をかぶらされ、円形に座っている。

幼女たちはお互いにコミュニケーションがとれない。

帽子の色は「赤」か「青」か「白」。
3人とも赤、3人ともちがう色、というパターンもありえる。
自分の帽子の色は見えないが、自分以外の2人の帽子の色は見える。

いま、3人の幼女は同時に「自分の帽子の色」を宣言する。
このとき、3人のうち少なくとも1人が正解しなければならない。

幼女たちは帽子をかぶらされる前に相談ができる。
どのような戦略をとればいいだろうか?

さあ、解いてみよう!

どこかで見たことがある……!

と感じた方は正解です

本問は論理クイズ「幼女と50%の帽子」で正解を探せ上級編になっています。

ただ、解き方まで同じとは限りません。

3人になったことで、異なる戦略が求められるかも……。

少し下にスクロールすると答えがあります。

 

 

 

 

正解

帽子の色を
赤 = 0
青 = 1
白 = 2
と数字に置きかえる。
それぞれの幼女は、3人の合計が(0,3,6)もしくは(1,4)もしくは(2,5)になるように自分の色を宣言する

解説

んん。

ワケわからないですね。

ひとつずつ考えていきましょう。

戦略の方向性

まず大前提として、幼女たちは「3人のうち少なくとも1人が自分の帽子の色を当てればいい」という状況です。

ということは、「どんな状態でも必ず1人以上(できれば2〜3人)は自分の色を当てる」という戦略が望ましいわけですが……。

本問の答えは「1人は必ず当たるが、残り2人は必ず外れる」という戦略になります。

「1人以上は必ず当たる戦略」ではなく「当たるのは必ず1人のみ」という点に注意してください。

パターンを制限する

Aが白で……Bが青で……Cも青だったら……。

幼女3人の帽子の色のパターンは27通り。
幼女3人の回答パターンも27通り。

細かく考えていくとキリがありません。

こんな時に有効なのが、パターンを限定すること。

なんとかして幼女3人の帽子の色のパターンを「パターン1」「パターン2」「パターン3」に限定できれば、あとはABCの幼女がそれぞれのパターンを宣言するだけで完了です。

では、いったいどのようにパターンを制限すればよいのでしょう?

3色の帽子、3パターンの合計

結論から言うと、「帽子の色を数字におきかえる」ことであらゆる状況を3パターンに限定できます。

具体的には

  1. 帽子の色を数字に置きかえる
  2. 役割を決めておく
  3. 自分以外の帽子を見て、計算し、役割に従って帽子の色を宣言する

という3ステップが必要になります。

数字、役割、計算

まず、帽子の色を以下の数字に置き換えます。

赤 = 0
青 = 1
白 = 2

そして、幼女Aは「全員の合計が0か3か6になるような色」を宣言し、
幼女Bは「全員の合計が1か4になるような色」を宣言し、
幼女Cは「全員の合計が2か5になるような色」を宣言します。

これでOKです。
いかなる状況でも、3人の幼女のうち必ず1人だけが自分の帽子の色を当てます。

ちょっと分かりにくいので、こう言いかえてみいましょう。

幼女Aは「全員の合計値を3で割った時の余りが0になるような色」を宣言し、
幼女Bは「全員の合計値を3で割った時の余りが1になるような色」を宣言し、
幼女Cは「全員の合計値を3で割った時の余りが2になるような色」を宣言します。

なぜこれで上手くいくのか?

赤 = 0
青 = 1
白 = 2

と考えた時、幼女3人の帽子の色の合計値は、3で割った時に「余り0」「余り1」「余り2」のどれかになります。

たとえば3人の帽子が「赤」「青」「白」なら、色の合計値は3。
合計値3を3で割ったら「余り0」。

3人の帽子が「青」「青」「白」なら、色の合計値は4。
合計値4を3で割ったら「余り1」。

3人の帽子の合計値は、以下の3パターンしかありません。

合計値を3で割った時に、余りが
・0になるか
・1になるか
・2になるか
この3パターンのみ。

ということはつまり、事前に幼女3人がこの3パターンを「決め打ち」すると相談しておけばいいわけです。

A:合計値の余りが0になるように自分の帽子の色を宣言
B:合計値の余りが1になるように自分の帽子の色を宣言
C:合計値の余りが2になるように自分の帽子の色を宣言

実際の進行

3人の帽子が以下の状態になったとします。

Aの帽子:青
Bの帽子:青
Cの帽子:白

ここから幼女3人は、帽子の色を数字に変換します。

Aの数字:1
Bの数字:1
Cの数字:2

以下は幼女たちの思考です。
3人の合計値は4なので、「合計値の余り」が1であることを覚えて読み進めてください。

A(青):合計値の余りが0になるよう宣言する
A「BとCの合計は3だから、私は0(赤)!」(不正解)
B(青):合計値の余りが1になるよう宣言する
B「AとCの合計は3だから、私は1(青)!」(正解)
C(白):合計値の余りが2になるよう宣言する
C「AとBの合計は2だから、私は0(赤)!」(不正解)

1人は「最初のパターン」だった時のための宣言をし、
1人は「2番目のパターン」だった時のための宣言をし、
1人は「最後のパターン」だった時のための宣言をする。

このようにして、3人の幼女のうち少なくとも1人が自分の帽子の色を当てられるのです。

まとめ

結局、この論理クイズは

  • 3人で「0〜2」のカードを持ち合う
  • 少なくとも1人が、カード3枚の「合計値の余り」を当てる

という構造と同じです。

解法はわかりやすいけれど、「なぜそれで正解するのか」をきちんと納得しようとすると難しい問題でしたね。