いや半端じゃなくヤバい。
今これ書いてるのはアメリカのシカゴっていう街なのですが、なんだろう、名前はもちろん知っているけど実際に何があってどういう所なのかっていう詳細は知らない街で、知っていることといえばハリウッド映画でよく出てきそうな(でも言及されるだけの)名前の街であることと、「アドラー・プラネタリウム・アンド・天文学博物館」っていう日本語の正式名称がやたら中途半端な「西半球最初の、かつ現存する最古のプラネタリウム」があるっていうこと。
なんだよ「西半球」って。
はじめて聞いたよ。
ちなみに世界最古のプラネタリウムは、オランダの北部フリースランド州のフラネケルという小さな町にある「ロイヤル・エイセ・エイシンガ・プラネタリウム」らしいです。
さて、これまで24ヶ国を旅してきて、それほど高くはないぼくの英語力でも不自由のない日々を送ってきました。
しかしアメリカに着いた途端、その安寧は瓦解しました。
アメリカの英語は本当に難しい。
「冷戦ジャーマン、冷戦ジャーマン」
それは「Amtrak」と呼ばれる超長距離列車に乗ってニューヨークからシカゴに向かっていた時のこと。
トイレの便器がベッドの真横にある高価な寝台個室(18時間、約38,000円)で独房気分の車窓を眺めてドナドナしていた折、急に車内放送が入りました。
「冷静ジャーマン、冷静ジャーマン」
「ペラペラペラペラ」
「…30minutes…」
「ペラペラペラペラ」
「ペラペーラペラペラ」
「Thank you」
ブツッ。
やべえ。
速すぎて何言ってるかほとんど分からない。
なんとなくわかったのは、「次の駅で30分停車する」ということ。
最後に「聞いてくれてありがとう」と謝意を述べたこと。
そして最初に「冷戦ジャーマン」という謎の暗号を発したこと。
な、なんだ?
「冷戦ジャーマン」とは一体?
「冷戦」といえばアメリカとロシアの歴史的戦争寸前段階の衝突の数々であり、そして「ジャーマン」とはGermanすなわちドイツのこと。
第二次世界大戦以後の世界史を学ばせようという意図か?
何が起こっているのだ?
その後も、車内放送がスタートするたびに「冷静ジャーマン」という言葉は繰り返し使用されました。
何度聞いてもさっぱり分からなかったので聞き流していたのですが、8回目くらいでようやく気づきました。
“Ladies and Gentlemen”のことだと。
聴衆に語りかける祭、最も丁寧な言葉である
「レィディース・エン・ジェントルメン」
が
あまりにも早口で流すので
「レーセンジャーマン」
に聞こえるという、
「ありがとうございました」
を
「あーーとーーっしたーーー」
と言い流す感じのアレに極めて酷似した言語現象。
ぱねえ。
死ぬほどリスニングが難しい本場アメリカ英語
そんな感じの「超省略発音」が頻出するので、もう慣れないと絶対に聞き取れない英語だと思いました。
“When I was young”とか「ウェン・アイ・ワズ・ヤング」じゃなくて「ウェナワズヤァン」で0.3秒以内に発音されます。
全ての人がそれはそれは超早口なので、もはや違う言語と言っていい領域。
また、誰もが海外ドラマみたいにハキハキと滑舌よく喋ってくれるわけではありません。
もう聞き取れなさすぎて死ぬ。
そうですね。
「実際のネイティブの会話に近い」と評判の「フレンズ」っていう大人気アメリカドラマがあるじゃないですか。
スピードはあれの1.3倍速くて、全体的には2.5倍聞き取りづらい。
そんな感じです。
ホステルで英語が母語じゃない外国人の旅行者と話すと、お互い「あーーーコミュニケーションって幸せーーーーー」って気になれます。
まとめ:アメリカの英語は難しい
アメリカで仕事してる日本人の方は本当にすごいなーって思いました!
ちなみに世界一周して英語が最も通じなかった国はコロンビア。
それが英語だと気づくまで長い時を要した国はインドです。
インド英語のすさまじさに関してはいずれ別の機会で取り上げます。
インドはインクレディブル。