MacBookのキーボードはUS配列にすべきなのか? それともJIS配列?
「US vs JIS」論争は長年にわたり決着がつかず現在まで至っています。
なぜかネットでは圧倒的に「USの方がいい!」という意見であふれていますが、冷静に考えるとJISの方が良さそうだと判明したので、そのことについてまとめました。
目次
キーボードの種類
Macには2種類のキーボード配列があります。
日本語入力を主とするJIS配列と、英語入力を主とするUS配列です。
JIS配列キーボード
概要
以前から日本で使われている配列で、多くの方にとって馴染みのあるキーボードです。
その原案は1972年にまでさかのぼり、以来国内のキーボード配列界においては圧倒的なシェアを誇っています。
特徴
- 1つのキーに2つ以上の文字が混在
- かなキーがある
- 英数キーがある
- enterキー(returnキー)が大きい
- deleteキーが小さい
- tabキーが小さい
- スペースキーが小さい
- shiftキーが小さい
日頃から普通のキーボードに触れている方にとっては使いやすいデザインです。
メリット
日本語入力において重要なreturnキーが大きく打ちやすいのが何よりのメリットです。
日頃Windowsを使う方でもすぐに使いこなせます。
かなキーもあるので、かな入力も可能です。
デメリット
かな入力を使わずローマ字入力のみという方は、キーに印字されたひらがなは邪魔になるかもしれません。
USキーボードに比べると、各キーの配置・形等がやや不整合です。
US配列キーボード
概要
主に英語圏で使われているキーボードです。
印字数が少なく、キーの形も統一されているので美しい外観です。
特徴
- かな文字が無い
- enterキー(returnキー)が小さい
- スペースキーが大きい
メリット
非常に洗練されたデザインで、各キーの配置・形の不整合がなく、必要最低限の要素が幾何学的な美しさを保ちつつ、(英語入力における)実用性も高めています。
デメリット
後述しますが、「日本語が入力しにくい」という一言に尽きます。
USキーボードを使うべきではないただ一つの理由
なぜUSキーボードのreturnキーは小さいのか?
なぜUSキーボードのスペースキーは大きいのか?
日本語を入力する際のメカニズムとしては、
- ローマ字(かな)入力で原文を入力
- スペースキーを押して目的の漢字・カタカナが出るまで変換
- returnキーで確定
という3ステップを踏みます。
特に、入力した未確定の文章を固定化する「確定」という作業は非常に多く出てきます。
「確定」の役割を持つキーは、日本語入力において最も頻繁に使用されるキーです。
JISキーボードのreturn(Enter)キーが大きいのは、そのためなのです。
これに対し英語の入力は基本的に
- アルファベットを入力
- 単語の終わりにスペースキーを押して単語間を区切る
だけで済みます。
不確定の文章を「変換」し「確定」するという作業がない英語入力では、returnキーは改行の時くらいにしか使いません。
日本語入力と比べると、returnキーを使用する頻度は圧倒的に少なくなります。
だからUSキーボードのreturnキーは小さくても問題ないのです。
しかし、日本語を入力する人にとってはどうでしょう。
キーボード上のどのキーよりも頻繁に使うキーが小さくて打ちにくいというのは、想像以上の使いづらさがあります。
実際にやってみると分かりますが、「確定」キーが小さいというのは日本語入力者にとって致命的とも言える不便さです。
USキーボードは、安易におすすめできるような「使いやすいキーボード」ではありません。
USキーボードとJISキーボードの使用感の比較
ぼくはUS、JISどちらも使ったことがあるのですが、使いやすさで言えば圧倒的にJISキーボードに軍杯が上がります。
アプリ開発におけるコーディング、web技術を用いる作業、イラスト制作、写真編集、ブラウジングやライティング等、あらゆる用途においてJISキーボードの方が使いやすかったです。
やはり日本語入力がスムーズに行えるというのは強大なメリットです。
JIS配列のキーボードの形にはきちんと意味があるのです。
キーボードのシェア
「そうは言ってもネットでは圧倒的に「US最高」「USキーボードにしよう」という声が多いじゃないか」と思われがちですが、実際のシェアはどうなっているのでしょうか?
気になったのでAppleに問い合わせてみました。
Apple Online Store(アップルオンラインストア)での販売比率は、USキーボードがここでしか手に入らないこともあり、USの方がJISより多いとのことでした。
実店舗・販売代理店では基本的にJISのキーボードのものしか販売されません。
当然、売れるのはJISキーボードです。
以上の結果から、JISキーボードの方がUSキーボードよりやや多く売れているということになりそうです。
ちょっと意外な結果になりましたね。
それでもUSキーボードを使いたい人へ
見た目が整っていて美しいUSキーボードを使いたいんだ! というMac使いの方は多いです。
確かにカッコよさはとても重要です。
頑張ってUSキーボードに慣れましょう。
USキーボードでも、慣れればどうにかなります。
がんばりましょう。
まとめ
「USキーボードの方が打ちやすいって聞いたから」という理由でUSキーボードを買おうとしている方がいたら、「打ちにくいからオススメしません」が答えです。
「USキーボードの方がかっこいいし美しいから」という理由でUSキーボードを買おうとしている方がいたら、「頑張れるなら大丈夫です」が答えです。
どちらを買えばいいか分からない方がいたら、とりあえずJISにしておきましょう。
USなら合う合わないがありますが、JISなら間違いがありません。
でもやっぱりUSキーボードの人はかっこいいなと思います。