問題
幼女の前に置かれた4枚のカードがある。
「E」「R」「2」「9」
カードにはそれぞれ、片面にはアルファベットが、もう片面には数字が書かれている。
いま、2枚だけカードを裏返して、「母音が書かれたカードの裏には偶数が書かれている」というルールが成立しているかどうか確認したい。
どのカード2枚を裏返せばよいだろうか?
さあ、解いてみよう!
かなりシンプルな問題ですが、ちょっとした発想の転換が必要になります。
特にヒントはありません。
以下では、すぐに「正解」が書いてあります。
きちんと考えれば解けるので、問題を楽しみたい方はスクロールせずにチャレンジしてみてください。
正解
「E」と「9」を裏返す
解説
「E」と「2」を裏返すのでは?と思った方も多いでしょう。
なぜ「E」と「9」なのでしょうか?
「E」を裏返す理由
これに関しては問題ありませんね。
「母音が書かれたカードの裏には偶数が書かれている」というルールが成立するには、まず母音である「E」の裏に偶数が書かれてなければいけません。
1枚目にこのカードを裏返すのは確定です。
「9」を裏返す理由
「母音が書かれたカードの裏は偶数である」。
このルールが成立しているかどうかを確かめるのが本問の趣旨です。
さて、ここが重要なのですが、
「母音が書かれたカードの裏は必ず偶数である」
というルールが成立するからといって、
「偶数が書かれたカードの裏も必ず母音である」
とは限りません。
たとえ偶数の裏が子音であっても、「母音が書かれたカードの裏は必ず偶数」というルールには違反しません。
すなわち、偶数が書かれたカードの裏は母音でも子音でも構わないのです。
ただし、奇数が書かれたカードの裏は必ず子音でなければいけません。
そうでない場合、ルールが破綻するからです。
このことから、裏返して確認すべきなのは奇数である「9」だと確定します。
以上より「E」と「9」をひっくり返すことで、ルールの成立を確かめられるのです。
余談:役に立った高校の数学
学生の頃、「こんな勉強が何の役に立つんだろう」と思った人は多いと思います。
ところで、数Aで「集合と論理」を習いませんでしたか?
「pは集合Aに属する」
「ド・モルガンの法則」
「逆・裏・対偶」
とか出てくるアレです。
ちょっと「対偶」について思い出してみてください。
対偶とは、カンタンに言うと以下のようなものです。
命題「AならばBである」
対偶「BでないならばAではない」
はい。
さて、「ある命題が真であるとき、その命題の対偶も真となる」ということが成り立つことも学ばれたと思います。
ある命題が正しいなら、その対偶も正しい。
ここで今回の論理クイズを、論理に当てはめて考えてみましょう。
命題「片面が母音ならば、その裏は偶数である」
対偶「片面が偶数でないならば、その裏は母音ではない」
=「片面が奇数ならば、その裏は子音である」
こうしてみると、どのカードを裏返すべきなのか一発で分かりますね。
まとめ
一見すると何の役にも立ちそうにない知識でも、思わぬかたちで役に立つものです。
皆さんが一生懸命努力して勉強したことは、これからの将来にも何かしら力になっていくはずです。
140字以内の問題文
幼女の前に「E」「R」「2」「9」という4枚のカードがある。カードの片面にはアルファベットが、もう片面には数字が書かれている。どれか2枚だけカードを裏返して「母音のカードの裏は偶数である」というルールが成り立っているかどうかを確認したい。どのカード2枚を裏返せばいい?