めちゃくちゃ面白い数学クイズがありました!!
ちょっとやってみてください。
かなりの良問です!
問題
1枚だけページが破れた本がある。
破れていないページ番号を合計すると15000になる。
破れたページは何ページ目だろうか?
さあ、解いてみよう!
お、おう。
解ける気がしない。
やばいのが出てきたな……。
「ページ番号」は「何ページ目か」を示す数字で、ページの右下とか左下に書いてあるアレです。
ヒントはなし。
超難問というわけではありませんが、数学を使います。
ひっかけにも注意しましょう。
めっちゃ面白い問題です。
少し下にスクロールすると答えがあります。
正解
25ページ目と26ページ目
解説
必要なもの
本問では「総和の計算」が必要になります。
使用するのは、もっとも基本的な総和計算である「”1からNまでを足していった合計値”を求める公式」。
\(
1 + 2 + 3 + … + N = \frac{1}{2} N (N+1)
\)
これですね!
なぜこの式で合計値が計算できるか?
っていう理由については以下の参考リンクがわかりやすいです。
参考:1からnまでの和を求める公式
前提
問題を再確認しましょう。
1枚だけページが破れた本がある。
破れていないページ番号を合計すると15000になる。
破れたページは何ページ目だろうか?
1枚だけ破られたページ。
「1枚」の裏表には連続した数のページ番号が存在するはずです。
とりあえず、「破れたページ番号」を「x-1」「x」としましょう。
たとえば破れた1枚が「3ページ目」「4ページ目」だったら、「x-1」は3、「x」は4です。
つぎに、「この本の全ページ数」も気になります。
気になりますっていうか必要になります。
とりあえず、「本の全ページ数」を「N」としましょう。
さっきから「とりあえず」っていう表現が多いですね。
いいんです。
「分からないもの」は「今は分からん!!」で進めるのが数学なので。
関係を整理してみる
スタート時点での状況を整理してみましょう。
本の全ページ数:
\(
N
\)
本の全ページ番号:
\(
{1, 2, 3, …, N}
\)
本の全ページ番号の合計値:
\(
1 + 2 + 3 + … + N
= \frac{1}{2} N (N+1)
\)
“破れていないページ番号を合計すると15000になる。”:
\(
\frac{1}{2} N (N+1) – x – (x – 1) = 15000
\)
さて、この時点で分からないのが「N」と「x」。
1つの方程式で判明するのは1つの未知数なので、このままでは式が解けません。
どうしましょう?
破れたページ番号は、全ページ番号の合計数よりずっと小さいはずです。
なので、とりあえず破れたページ番号は考えずに「本の全ページ数」を推定してみましょう。
本の全ページ番号を合計するとだいたい15000になる。:
\(
\frac{1}{2} N (N+1) ≒ 15000 \\
N (N+1) ≒ 30000 \\
N^2 ≒ 30000 \\
N ≒ \sqrt{30000} \\
N ≒ 173.2
\)
出ました。
おそらくこの本は全部で173ページか174ページの本です。
破れたページ
本の全ページ数が「174ページ」だとすると、
\(
N = 174
\)
なので、
\(
\frac{1}{2} N (N+1) = 15225
\)
ご覧のように「全ページ番号の合計数」は15225になります。
そして「破れたページ番号の合計」は以下の通り。
\(
15225 – 15000 = 225
\)
ここから、
\(
x + (x – 1) = 225 \\
x = 113
\)
つまり破れたページ1枚は、112ページ目と113ページ目!
ではない。
ここで重要になってくるのが「ページが1枚破れている」という点。
通常、本というのは1ページ目から始まり、その裏が2ページ目になります。
それで1枚です。
{奇数ページ}の次に{偶数ページ}が来ます。
ところが「112ページ」と「113ページ」のペアでは、{偶数ページ}の次に{奇数ページ}がくるため、ページが2枚に及んでいることになります。
これは問題の前提から外れます。
すなわち、本の全ページ数は「174ページ」ではない。
真実
残された可能性は、本の全ページ数が173である場合。
同様に計算していきましょう。
\(
N = 173
\)
なので、
\(
\frac{1}{2} N (N+1) = 15051
\)
\(
15051 – 15000 = 51
\)
「破れたページ番号の合計」は51。
つまり。
\(
x + (x – 1) = 51 \\
x = 26
\)
これならば{奇数ページ}の次に{偶数ページ}という順序とも矛盾しません。
破れたページは、25ページ目と26ページ目です。
まとめ
「あまりにも情報が少なすぎる」と誰もが思う問題。
けれど準備をすればそこから雪崩式に解けてしまう。
数学って面白いなーーー。
参考
問題の初出は1994年のインド地方数学オリンピック。
The Seemingly Impossible Missing Book Pages Puzzle From India
140字以内の問題文
1枚だけページが破れた本がある。
破れていないページ番号を合計すると15000になる。
破れたページは何ページ目だろうか?