数学クイズ「ゆがんだコインをトスする少女」は中学生でも解ける面白い問題

問題

ゆがんだコインが1枚ある。

通常ならコインを投げたとき表が出る確率は50%だが、ゆがんだコインの表が出る確率は50%ではない。

ゆがんだコインはいつも「ある確率」で表が出る。

さて、2人の少女がこのゆがんだコインを使ってコイントスによる勝負を行う。

どのようにすれば公平な勝負を行えるだろうか?

さあ、解いてみよう!

確率の問題では「さいころ」と並んでよく見かける「コイン」ですが、今回は50%ずつ表と裏が出るいつものコインではありません。

……はい。

いや。

そもそもコイントスによる「俺は表に300ドル!」「私は裏に40兆」みたいな勝負って厳格に1/2の確率で表や裏が出てくれるコインがあるからこそ「公平な勝負」になるのでは?

どうしましょう。

……。

ヒントはなし。

少し下にスクロールすると答えがあります。

 

 

 

 

正解

  • 勝負する2人は「表→裏」あるいは「裏→表」のどちらかを選ぶ
  • コインを2回投げる
  • 「表→表」あるいは「裏→裏」が出たらやりなおし

解説

確率計算の基本である余事象を使います。

(Aが起こる確率) + (Aが起こらない確率) = 1

すなわち

(Aが起こらない確率) = 1 – (Aが起こる確率)

っていうアレです。

さて。
ゆがんだコインを投げて表が出る確率を \( p \) とします。

このとき、裏が出る確率は \( (1-p) \) です。

2回続けてコインを投げて「表→裏」になる確率は
\( p \times (1-p) \)
\( = p(1-p) \)

2回続けてコインを投げて「裏→表」になる確率は
\( (1-p) \times p \)
\( = p(1-p) \)

2つの事象は同じ確率で発生します。

等確率で起こることに対してなら公平な勝負が可能です。

なので、関係のない「表→表」あるいは「裏→裏」が出た時は勝負をやりなおすことでフェアなコイントス(あくまで「表→裏」か「裏→表」かの勝負に限定すること)を実現させられます。

参考

Probability Puzzler 2 – removing the bias