インドで小学校設立!「プレマメッタスクール」「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」運営者インタビュー

インド、ブッダガヤ。

仏教最大の聖地として知られるその地に、無料で通える小学校を設立して子供たちの支援を続けている方々がいます。

小学校「Premametta school」
(以下:「プレマメッタスクール」

ゲストハウス「Senamura Yoga Ashram Guesthouse」
(以下:「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」

の設立者であるアヌープさんと、その奥様であり共同運営者である夕子さんにいろいろお話を伺いました!

「プレマメッタスクール」

プレマメッタスクールを設立した理由

はじめまして。
私はアヌープです。

学校に通うことができない村の子供達のために、無料の小学校「プレマメッタスクール」を設立したのは2007年。

最初は、竹とプラスチックシートで作ったテントの学校でした。

スクール設立の理由は、私の幼少期まで遡ります。

私が子供の頃、両親が大病を患いました。病気にかかって仕事ができないので収入は激減し、治療費のために畑の土地を売るなど、幼少期は貧しい生活を送っていました。

ある日、畑仕事をしていたら仏教のお坊さんが托鉢(※僧が修行のために鉢(はち)を持って米や金銭の施しを受けて回ること)に来たので、私は自分の残りのご飯を分けてあげました。

次の日も、さらに次の日もそのお坊さんに会うので、自分のご飯をあげました。

ただでさえ少ないご飯を分けたので、そのお坊さんは「この子には何かある。きっと良いお坊さんになれる」と思ったそうです。

それから、修行僧になるよう勧誘を受けました。

お坊さんになるため出家したら家族には二度と会えなくなるので、両親は猛反対しました。

でも、私は修行を始めました。

お寺で修行をし、瞑想を行い、ヒマラヤに行って修練も積みました。

修行をして気づいたことは、修行をしている多くの人が裕福な家庭の出身であることです。

対して自分の家族や村の人々は貧しく、毎日のご飯も食べられない人がいる。
「自分がここで修行をしていても、みんなにご飯をあげれるわけではない」。
そうした思いが強くなっていきました。

と同時に、家に帰れば農家なので好きなご飯が食べられます。

「実家で家族と過ごしたい」とも思うようになっていきました。

そんな折、師匠に「つらいのはカルマ(※業・結果を伴う行為)が足りないからだ」と言われました。

「じゃあ、カルマのために村に戻って学校を作りたい!」
「自分のように困ってた子供を助けたい!」
「自分は英語も話せるし仏教の勉強もした! もう十分!」

と決意して村に戻りました。

2007年当時、村の大人は日給50ルピー(約90円)で働いていました。

そこから一家全員の食費を捻出しなければいけないので、当然ながら病院にも行けません。

子供を学校へ通わせるお金なんて、あるはずもありませんでした。

村の子供たちは旅行者に「お金ちょうだい」と恵んでもらうしかないのですが、そうして手にしたお金も親に渡り、タバコやトランプでの賭け事に費やされます。

年齢を重ねても仕事にはつけず、治安は悪くなる一方でした。

「どうにかしなければ」という思いから「村の子供達のために、無料で通える学校を作って、教育を受けさせてあげたい」と強く決意したのです。

ちょうどその頃、私はガイドの仕事で各地を回っていました。

仕事で資金を貯めながらその時に会った人々にフリースクール設立のための支援をお願いしました。

結果的に少しずつ寄付が集まってきて、ようやく学校を建てることができました。

当初は一部屋しかない建物でしたが、寄付が集まるにつれ少しずつ増築していきました。

一番最初にテントの学校を作った時から、今年でもう10年が経過しました。

早いものです。

無料の小学校「プレマメッタスクール」

現在、10の村から子供たちがこの学校に通っています。
毎日30分以上歩いて来る子もいます。

生徒の年齢は5〜15歳。

教科は英語・ヒンディー語・算数・科学・化学・体育・一般教養。

週に一度絵を描いたり、音楽をやったり、体操をやったあとにちょっと自由時間があるなど、楽しむ時間もあります。

校庭にはブランコや滑り台もあったりして、特にブランコは大人気なので最近ちょっと傾いてきました(笑)

学校設立に関してのトラブル

アヌープさん:

インド特有の問題なのですが、最初はとても大変でした。

きちんと許可を取ったのに、学校設立後1ヶ月くらいで村長さんが怒って学校を潰そうとしてきたんです。

村の貧しい世帯の子供たちが学校で知識をつけたら、村長さんたちを始めとした裕福な人々が不利になるからです。

今の子供たちの親御さんの代には、読み書きできない人が多くいます。

読み書きができないことは有力者の人々にとって都合がよく、契約書にサインをさせ土地を奪ってしまうこともあります。

「子供が教育を受けると将来、低い賃金で働かせることができない」

自分の利益ばかりを考えてしまう人々は学校の設立に猛反対してきました。

夕子さん:

インドの悲しいところは、まだカースト制度が強固に存在しているところなんです。

裕福で教養のある人たちが不平等を解消するために手を差し伸べればいいのに、権威や地位を守ることしか考えられない人がいます。

彼らの妨害で何度も学校が潰されそうになりました。

学校にトイレを作ったらトイレを破壊されたり、PC実習室に導入した貴重なパソコンが夜間の見張りの家族がいない時間に盗まれたり、外につけた電灯すらも盗難に遭いました。

今は、家族が常に夜番をしてくれることもあり、学校に侵入されて盗難・破壊被害に遭うことは少なくなりました。

一度アヌープがそういった非道に徹底的に立ち向かったことがあって、それ以来は平和な状況が続いています。

色々な事がありました。

何か新しいことをしようとすれば、必ず妨害されます。

ボランティアなどで外国人が出入りするので、「お金をたくさん稼いでいるんだろう」と実家の方にも泥棒が入ることもあります。

チャイ飲んだりトランプで賭け事してるだけなのに、きちんと努力している人から楽して奪おうとする。
そこに力を注ぐなら、自分もちゃんと頑張ればいいのに。

ただ、その背景には貧困によって生まれた問題もあり、簡単に改善されるものではありません。

せめて学校にいる生徒たちにはそういう大人にならないよう、勉強して色々なことを感じてもらえたらなって思っています。

日本の学校との違い

夕子さん:

プレマメッタスクールに来て、色々な学校を見て回って気づいたのは「子供たちが楽しんで勉強している」ということでした。

日本だと、学校はどちらかというと「義務」で「行かなければいけない面倒くさいもの」という認識が強いと思います。

でもここでは、子供たちは土日の休校日でも学校に来るくらい「勉強」というものを楽しんでいて、彼らの姿を見ていると「勉強ってこんなに楽しいものだったんだ」と気づかせてもらいました。

あとは、人としての優しさっていうのかな。
「分け合う」「助け合う」ということをインドの子供たちはすごく当たり前のことのようにできるんですね。

たとえば、オレオやキャラメルみたいな「一口で食べられるようなもの」でも必ず大勢で食べられるように分割したりします。

まだ9歳くらいの子が、もっと幼い子の子守をしながら授業受けていたり。

そういう、小さい頃から「助け合う」という意識が身についているのは素晴らしいことだと思います。

日本ではなかなか感じられない「本当の豊かさ」を目の当たりにして、新発見の毎日です。

学校を運営していて良かったこと・やりがいを感じたこと

アヌープさん:

一番嬉しいのは、毎朝子供たちが、すごく元気にすごくいい笑顔で「グッドモーニング、サー!」って挨拶してくれることです。
笑顔で踊ったり、話したり、元気に活動してくれること。
それを見るのがとても幸せです。

生徒たちと心の繋がりができることが何よりも楽しいです。

それと同じくらい、学校を通してできた縁も大切に思っています。

生徒さんの親御さん、寄付をしてくださる方々、協力してくださる人々……本当に、皆さんのおかげで学校が成り立っている奇跡が何よりもありがたいです!

学校を通して夕子さんとも出会えたしね!!!

夕子さん:

インドには「サラスワティプージャ」という学問の神様のお祭りがあるのですが、2年前に学校でお祭りの日にイベントをやったことがあります。

みんなでサリーを着たり仮装したり替え歌に合わせて舞台でダンスを披露したりました。

自分の子供が、舞台に立って大勢の人の前で立派に演技をしている……そういう晴れ姿を見て、あまりに感動して泣いてしまった親御さんがいたそうです。

それ以降、「学校にちゃんと通わせます!」と言ってくださる親御さんが出てきたと聞きとても嬉しかったです。

子供たちの歌の中で、

「お父さんがお酒を買ってしまうからぼくたちが学校にいくお金が無くなっちゃったよ」
「鉛筆が買えなくなっちゃったよ」
「飲まないでくれたら鉛筆が買えるよ」

という様な歌詞があり、それを聞いたお母さん方が「あなたのせいよ!」と怒ってお父さんを叱りはじめたらしいです(笑)

それ以降、お酒を飲むのをやめたお父様たちがいるそうです。

印象的な出来事でした。

スクールの現状

夕子さん:

基本的に学校の運営は寄付でまかなってきました。

しかし、誰かの善意に頼るしかない「寄付」が主体ではなかなか難しい局面もあります。
大幅な出費が必要になった時は、すべてアヌープが自腹を切って運営費にあててきました。

サラスワティプージャのイベントも本当は毎年やりたいのですが、実施にそれなりのお金がかかるので昨年はできませんでした。

子供たちや親御さんがすごく残念がっていたので、胸が痛みました。

「寄付があるから何かできる」「寄付がないからできなくなった」というのは、学校運営者として避けるべき状態です。

そうした中で、安定的に学校運営費を確保するよう取り組んでいるプロジェクトが「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」です。

「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」とプレマメッタスクールの関係

アヌープさん:

ゲストハウスを建てたのは「学校の運営費捻出のため」と「生徒たちの職業訓練のため」です。

学校の運営費捻出

ゲストハウスの利益はすべてプレマメッタスクールの運営費になります。

生徒たちの職業訓練

プレマメッタスクールは日本でいうところの小学校です。

卒業後は中学校に進学して欲しいのですが、家庭の事情でそれが難しい子も多くいます。

たとえ進学できたとしても、仕事に就くことが難しい状況です。

ならば、就職に役立つスキルを習得できたら良いのではないかと考えました。

そこで思いついたのがゲストハウスです。

世界各国から訪れるゲストを相手に、接客・受付・案内といったホテル業務を実践すれば、大人になった時にブッダガヤや大きな都市のホテルでも働けるチャンスがあるのではないかと考えました。

ゲストハウスは、こういった「職業訓練の場」としての役割も担える様にしたいです。

「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」

観光に便利な立地

「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」があるのはインド北東部のブッダガヤです。

ブッダガヤは「仏教の発祥の地」として有名で、お釈迦様が悟りを開いた場所です。

仏教の最大の聖地とされ、世界各国から多くの仏教徒がこの地を訪れます。

世界遺産である「マハボディー寺院」をはじめ、スジャータ村、前正覚山など貴重な観光名所がたくさんあります。

(ゲストハウスはスジャータ村内にあります)

(ゲストハウス名にある「セーナ村」とは、スジャータ村の昔の名前です)

自然にあふれる周辺環境

「インド」というと、どうしてもゴミゴミして騒々しい街を想像される方が多いと思います。

でも、ゲストハウスがあるスジャータ村は完全な農村。

宿の周辺には畑が広がり、遠くには山が見えるなど、緑ゆたかな自然に囲まれています。
空気が澄んでいて、とても綺麗です。

とてもおだやかで時間がゆっくりと流れるので、欧米の旅行客の方は2〜3週間ほど長期滞在して何もせずゆったりと過ごされる方が多いですね。

夕暮れ時の「ああ、もう1日が終わるんだなー」っていう叙情感といったら、何度見ても飽きません。

夜には満天の星空が見え、ホタルもそこかしこで飛んでいるので、日常の疲れを忘れてしまうような幻想的な風景が広がります。

観光ツアーも実施

インド旅行では「ぼったくり」「詐欺」に遭う方が多く、不安に思われているお客様もたくさんいらっしゃいます。

そうした方達のために、適正料金での観光ツアーもご用意しています。

世界遺産のマハボディー寺院やスジャータ村など、人気の高い観光コースはもちろん、ご希望があれば自由なルートでのアレンジツアーも承っています。

国家資格持ちのガイドがいるので、日本語・英語・ヒンディー語の3ヶ国語に対応できます。

「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」ならではのメリット

村の人と一緒に農業体験ができたり、ヨガインストラクターがいるのでヨガや瞑想の実践もできます。

あとは、隣接するプレマメッタスクールでボランティア活動を行ったり生徒たちと交流・授業に参加したり等の活動も行っていただけます。

国際協力などの活動でいらっしゃる方も多いです。

また、ゲストハウスの収入は基本的に全額プレマメッタスクールの運営費に回されます。

ご宿泊いただくだけで、村の子供たちが勉強できる環境が整っていくのも、当ゲストハウスの特色ですね。

アクセスについて

有料にはなりますが、空港や駅にお迎えに上がる「ピックアップサービス」も実施しています。

ガヤ空港・パトナ空港・ガヤ駅などへ直接車でお迎えに上がり、随時こちら側と連絡を取り合いながら運転してもらうので、お客様に安全に到着していただけるようなサービスになっています。

ゲストハウス所有のタクシーは2台あるので、いつでもどこでも送迎が可能です。

最後に

アヌープさん:

日本の皆さん、ありがとうございます。
いろいろ寄付や古着をいただけているので、子供たちもとても喜んでいます。

この10年間、いろいろ苦しいことや辛いこともありました。

でも、それ以上に嬉しいこと、楽しいこと、幸せなことがありました。

私が17歳の時に学校を設立したので、振り返ってみるとずいぶん若い時から取り組んでいたんだなという気持ちです。

私自身は学校で勉強した経験がありません。
ですがそんな私でも、子供たちが勉強する場所を作れる、子供たちの笑顔を守れる、そう思うとすごく心が温かくなります。

学校を通して色々な方に出会えて、色々な経験を積めました。

プレマメッタスクールが運営していけているのは、本当に多くの方のおかげです。

みなさんにもぜひ、寄付をいただけたら本当に助かります。

ゲストハウスにも遊びに来ていただけたら嬉しいです。

夕子さん:

日本なら「将来何になりたいか」という質問に色々答えられると思うのですが、ここインドでは皆「パイロット」「ポリス」「マダム」といった代表的なもの(みんな知っている職業)しか子供は挙げません。

カーストがあるからです。
インドには職業選択の自由がありません。

でも近い将来、皆が好きな職業を選べる時代がきっと来ると思っています。
その時のために今の子たちの準備をお手伝いしていきたいです。

そのためにはやはり、現実的な「お金」というものがどうしても必要になってきます。

なかなか「寄付をください」とは言いにくい面があったのですが、「でも子どもたちのために言わなきゃ」って思うようになって(笑)

みなさんのちょっとしたお心やお気持ちが、物価の安いインドでは驚くほど大きな未来や力に繋がっていくので、誰かの人生を変えることができるということを、そういう世界があるということを、ぜひ知っていただきたいです。

機会があれば、どうぞゲストハウスにお越しください。

ゲストハウスに宿泊していただくだけで子供たちへの寄付になりますので。

何かご不明点や気になる点があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

インドの自然豊かな村でお待ちしております!

(撮影・編集 ミライジョー)

参考リンク

プレマメッタスクール

正式名称: Premametta school

プレマメッタスクール公式サイト

プレマメッタスクール寄付ページ

セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス

正式名称: Senamura Yoga Ashram Guesthouse

セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス予約サイト

アクセス

Senamura Yoga Ashram Guesthouse
および
Premametta school

※プレマメッタスクールは「セーナ村 ヨガアシュラム ゲストハウス」の隣です