古典的なクイズですが、正解にたどりつける人はごくわずか。
論理的な思考で挑みましょう。
問題
A,Bという2つの空港がある。
いまから飛行機がAを出発してAB間を往復する。
さて、AB間が「無風」の時にくらべると、「AからBの方向へ常に風が吹いている」時の飛行機の往復時間はどうなるだろうか?
※飛行機のエンジン回転数および風速は常に一定とする
- 変わらない
- 無風の時より長くなる
- 無風の時より短くなる
さあ、解いてみよう!
たぶん、「もっとも正解ではなさそうな選択肢」が正解です。
ヒントはなし。
少し下にスクロールすると答えがあります。
正解
2.無風の時より長くなる
解説
直感を裏切る正解
予想に反する解答なので驚いた方も多いでしょう。
無風の時よりも、風が吹いている時の方が飛行機の往復時間は長くなります。
しかし、ふつうに考えたら「無風」の時と「風が吹いている」時とで所要時間は変わらないはずです。
AからBにむかって風が吹いている時の飛行機は、「行き」では追い風で早く到着し、「帰り」では向かい風ですが「行き」の時の早期到着分とうまい具合に相殺される––はず。
いったい何が起こっているのでしょう?
逆風の脅威
ポイントとなるのは「逆風」。
結論から言うと、「行きは早く着いて帰りはその分だけ遅くなる」という直感がミスになります。
かんたんな例で考えてみましょう。
- 空港AB間の距離: 600km
- 無風の時の飛行機の速度: 時速200km
- AからBに向かって吹く風の速度: 風速(時速)100km
であるとします。
無風の時
このとき、AB間が無風だとすると飛行機の往復時間は
- 行き:3時間
- 帰り:3時間
となり、合計6時間。
風が吹いている時
つづいて「AからBに向かって風が吹いている時」。
行きは追い風。
時速200km + 風速100km
なので飛行機の速度は時速300km。
所要時間は2時間。
帰りは向かい風。
時速200km – 風速100km
なので飛行機の速度は時速100km。
所要時間は6時間。
つまり飛行機の往復時間は
- 行き:2時間
- 帰り:6時間
となり、合計8時間。
風が吹いている時の方が、往復時間は2時間も長くなっています。
無限大の逆流
なぜこのようなことが起こるのか?
逆風のときの風速が飛行機本来の速度に近づくほど、往復時間は無限大に近づいていくからです。
極端な例で考えてみましょう。
風速が「飛行機本来の速度」とまったく同じである場合を想定してください。
- 空港AB間の距離: 600km
- 無風の時の飛行機の速度: 時速200km
- AからBに向かって吹く風の速度: 風速(時速)200km
このとき、BからAに帰ろうとする飛行機は1ミリも前に進めません。
前に進もうとする飛行機本来の時速と、それを押しもどそうとする風速がつりあっているからです。
飛行機は永久にBからAに戻れないので「AB間の往復時間」は無限大になります。
これは問題文のような条件下であればどんな状況でも成り立ちます。
- ふつうに歩いて100メートル往復 VS 動く歩道上での100メートル往復
- 静止しているプールでの10M往復 VS 流れるプールの進行方向・反対方向での10M往復
いずれも後者の方が往復時間は長くなります。
まとめ
こういう「直感に反するクイズ」って面白いですよね!
はい!
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参考
Answer to Puzzle #37: An Aeroplane Takes a Round-trip in the Wind