面白い論理パズルを見つけました!
問題
以下のように3×4の箱が並んでいる。
この12の箱のうち、ランダムに選ばれたどれか2つの箱にイースターエッグが1つずつ入っている。
残り10の箱は空である。
箱にはそれぞれA〜Lのラベルが貼られている。
A | B | C | D |
E | F | G | H |
I | J | K | L |
いま、2人の幼女が同時に1つずつ箱の中身を確認していく。
幼女アリスは、A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L,の順で。
幼女イヴは、A, E, I, B, F, J, C, G, K, D, H, L,の順で。
イースターエッグを1つでも先に見つけた方が勝者となる。
たとえばイースターエッグがB,Cに入っていた場合、2番目の箱でそれを発見できるアリスが勝者となる。
さて、このゲームで有利なのはどちらの幼女だろうか?
なお、同時に見つけた場合は引き分けとなる。
さあ、解いてみよう!
ぬ?
ワケの分からない問題がきましたよ。
2つのイースターエッグが、12個の箱のうちどれかにランダムに入っている。
それを2人の幼女が順に確認していく。
確認作業は同時に行われる。
先に1つでも見つけた方が勝ち。
ちがうのはその順序だけ。
……どう考えても「有利も不利もない」「2人の勝率は50%ずつ」に思えます。
ぬーん。
少し下にスクロールするとヒントがあります。
ヒント
第1のヒント
第2のヒント
第3のヒント
最後のヒント
正解
アリスが有利
解説
重要なこと
一見すると確率問題のようにも思えますが、複雑な計算はいっさい出てきません。
勝者となる幼女がどちらになるかは、「イースターエッグがどの箱にあるか」というパターンによって決定されます。
ほとんどの箱について「必ず先に調べる幼女がいる」ということに注意してください。
どちらが先に見つける?
下表をご覧ください。
これは、もしその箱にイースターエッグがあった場合、「どちらの幼女が先に見つけるか」「何回目に調べた箱で見つけるか」を示したものです。
A 引き分け |
B アリス:2 |
C アリス:3 |
D アリス:4 |
E イヴ:2 |
F イヴ:5 |
G アリス:7 |
H アリス:8 |
I イヴ:3 |
J イヴ:6 |
K イヴ:9 |
L 引き分け |
「そこにエッグがあれば絶対に勝てる箱」は、アリスにとってもイヴにとっても5つずつ。
2つのエッグがどちらも「アリスが勝つ箱」に入っていた場合、アリスが必ず勝ちます。
2つのエッグがどちらも「イヴが勝つ箱」に入っていた場合、イブが必ず勝ちます。
ここだけ見ると有利不利の偏りはないように思えます。
重要なのは「アリスが勝つ箱」「イヴが勝つ箱」に1つずつエッグが入っていた場合です。
このとき、アリスが勝てる「エッグの配置」は、「アリスがエッグを見つけるまでの回数がイヴより少ない」パターン。
- アリス2 + イヴ3/イヴ5/イヴ6/イヴ9
- アリス3 + イヴ5/イヴ6/イヴ9
- アリス4 + イヴ5/イヴ6/イヴ9
- アリス7 + イヴ9
- アリス8 + イヴ9
以上の12通りです。
対して、イブが勝てる「エッグの配置」は、「イヴがエッグを見つけるまでの回数がアリスより少ない」パターン。
- イヴ2 + アリス3/アリス4/アリス7/アリス8
- イヴ3 + アリス4/アリス7/アリス8
- イヴ5 + アリス7/アリス8
- イヴ6 + アリス7/アリス8
以上の11通りです。
これまでの結論をまとめてみましょう。
- エッグがAかLにある場合、引き分け
- エッグが2つとも「アリスが勝つ箱5つ」のどれかにある場合、アリスが勝つ
- エッグが2つとも「イヴが勝つ箱5つ」のどれかにある場合、イヴが勝つ
- エッグが1つずつ「アリスが勝つ箱」「イヴが勝つ箱」にある場合、12対11でアリスが勝つパターンが多い
以上より、この勝負ではアリスの方が有利です。
まとめ
直感に反する面白い問題でしたね。
もしイースターエッグが1つであれば、幼女たちの勝率に優劣はつきません。
イースターエッグが2つだからこそ「箱を調べる順序がちがう」というわずかな差異が勝率の偏りにつながるのです。
この問題を発表したのはNSA(アメリカ国家安全保障局)。
さすがは天才が集まるアメリカ国防総省の諜報機関ですね。
参考
September 2015 Puzzle Periodical