ついに見つけてしまった……。
これが「史上最高に面白いクイズ」だ!!
今すぐ解いてみてください!!!
問題
ある島には4タイプの幼女がいる。
- 「いつも正直者」の幼女は、いつも真実を語る。
- 「ごまかす正直者」の幼女は、いつも真実を語る。ただし例外的に、自分が「犯人」の場合は「自分は無実だ」という嘘をついてしまう。
- 「いつも嘘つき」の幼女は、いつも嘘をつく。
- 「正義の嘘つき」の幼女は、いつも嘘をつく。ただし例外的に、自分が「犯人」の場合は「自分は犯人だ」と正直に言ってしまう。
この島で「冷蔵庫のプリンが勝手に食べられる事件」が起きた。
目撃者によると犯人は1人。
その時間に犯行が可能だったのは、幼女A,B,Cの3人のみ。
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
さて、プリンを食べた幼女は誰だろうか?
さあ、解いてみよう!
かなりややこしい構成になっていますが、きちんと論理的に解けます。
時間はかかるかもしれませんが、ぜひチャレンジしてください。
ヒントはなし。
少し下にスクロールすると解説が始まります。
が、自力で解くことを強くおすすめします。
解説
「正直者と嘘つきの村」タイプの論理問題は、「場合分け」が基本的な攻略法となっています。
地道に可能性をしぼっていきましょう。
以下ではAが「いつも正直者」「ごまかす正直者」「いつも嘘つき」「正義のうそつき」であった場合の考察を進めていきます。
前提:特殊な性質
その前に重要な点を確認しておきましょう。
問題の条件を考えたとき、
「正義の嘘つきは自分が無実であると宣言できない」
という性質があることに注意してください。
もし「正義の嘘つき」自身が無実なら嘘をついて「私は犯人」と言うはずですし、もし「正義の嘘つき」自身が犯人なら正直に「私は犯人」と言ってしまうはずです。
つまり「私は無実」と言っている人物は「正義の嘘つき」ではありません。
A,B,Cの3人はいずれも「私は無実」と述べているため、3人は「正義の嘘つき」ではないことがすでに確定しています。
Aが「いつも正直者」の場合
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
Aの発言より、「Bが犯人」「Bは正直者グループ」だと確定します。
しかし、正直者グループであるBの発言は「Aが犯人」となっており矛盾します。
よって、この可能性はありえません。
Aが「ごまかす正直者」の場合
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
Aが無実の場合、Aが「いつも正直者」の時と同じ理由で矛盾します。
Aが犯人の場合、Aによる「Bが犯人」という真実の発言により犯人が2人になってしまうため、これも矛盾します。
よって、この可能性もありえません。
Aが「いつも嘘つき」の場合
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
Aの発言から確定するのは「Aが犯人」「Bは無実」「Bは嘘つきグループ」。
Bが「いつも嘘つき」の場合:
Bの発言「私は無実だよ」が嘘になり「Bが犯人」となりますが、これはもちろんAが犯人であることと矛盾します。
Bが「正義の嘘つき」の場合:
Bの発言「私は無実だよ」が矛盾します。
「正義の嘘つき」は「自分が無実」とは言えません。
よって、この可能性もありえません。
Aが「正義の嘘つき」の場合
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
「正義の嘘つき」は「自分が無実」とは言えません。
よって、この可能性もありえ……ま……せん……。
……。
…………え?
解けない問題
え?
問題が解けません。
なに?
何が起こっているの?
ホワッツ?
問題が間違っているのでは?
でも問題の作者は「必ず解けます」って断言してたし……。
どういうこと?
論理的には間違いなく解けない。
ならばきっと見落としている何かがあるはず……!
よし。
もういちど初めから考えてみましょう。
※もういちど、初めからよく考えてみてください
※少し下にスクロールすると答えがあります
※ご自身の力で解くことを強くおすすめします
罠
ある島には4タイプの幼女がいる。
- 「いつも正直者」の幼女は、いつも真実を語る。
- 「ごまかす正直者」の幼女は、いつも真実を語る。ただし例外的に、自分が「犯人」の場合は「自分は無実だ」という嘘をついてしまう。
- 「いつも嘘つき」の幼女は、いつも嘘をつく。
- 「正義の嘘つき」の幼女は、いつも嘘をつく。ただし例外的に、自分が「犯人」の場合は「自分は犯人だ」と正直に言ってしまう。
さて、この島で「冷蔵庫のプリンが勝手に食べられる事件」が起きた。
目撃者によると犯人は1人。
その時間に犯行が可能だったのは、幼女A,B,Cの3人のみ。A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です。」さて、プリンを食べた幼女は誰だろうか?
こ れ だ
真相
ある島には4タイプの幼女がいる。
事件はその島で起こった。
ということは当然、目撃者もその島の人物。
そして「犯人が1人」という目撃者の情報を前提とした論理が破綻している以上、その前提が間違っているとしか考えられない。
この事件の『目撃者』は嘘つきの幼女。
つまり犯人は1人ではなく、0人、2人、3人のいずれか。
ぐぬぬ
そういうことだったのか……!
まんまとだまされた。
犯人の人数
犯人は0人か?
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
「犯人なんていなかった」と仮定してみましょう。
ABCは無実です。
しかしABC全員が「私は無実」「◯◯は犯人」と言っている以上、どの人物が正直者であれ嘘つきであれ必ず1人以上は犯人がいることになります。
よって、犯人は0人ではありません。
平和な世界なんてなかった。
犯人は3人か?
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
犯人であるABC全員が「私は無実」と発言しているので、ABCの正体は「ごまかす正直者」か「いつもウソつき」のどちらかに限定されます。
「Bが犯人だ」と真実を述べているAの発言により、Aは「ごまかす正直者」で確定します。
ということは「Bは正直者グループである」というAの発言も真実になり、Bの正体も「ごまかす正直者」だと分かります。
そしてBの発言である「Cは私とちがうタイプ」は真になり、Cは「いつも嘘つき」になります。
ところが、嘘しか言わないはずのCが「Aが犯人だ」と真実を述べてしまっています。
これは矛盾です。
よって、犯人は3人ではありません。
ここでようやく判明しました。
犯人は2人です。
Aが「いつも正直者」の場合・改
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
Aの発言より、「Aは無実」「Bが犯人」「Bは正直者グループ」ということが確定します。
Bの「私は無実」という発言からBの正体は「ごまかす正直者」になります。
しかし直後に、無実であるAを指して「Aが犯人」と嘘をついています。
矛盾です。
したがって、この可能性はありえません。
Aが「ごまかす正直者」の場合・改
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
Aが無実の場合、「Aがいつも正直者だった場合」と同じ展開で矛盾します。
以下ではAが犯人の場合を考えていきます。
Aの発言より、「Aが犯人」「Bが犯人」「Bは正直者グループ」ということが確定します。
Bの発言の「私は無実」からBの正体も「ごまかす正直者」であると分かります。
同時にBが「Cは私とちがうタイプ」と発言していることから、Cの正体は「いつも正直者」「いつも嘘つき」のどちらかに絞られます。
(「私は無実」と述べているため、Cは「正義の嘘つき」ではない)
Cの発言を吟味しましょう。
「私は無実」「Aが犯人」。
どちらも真実です。
つまりCは「いつも正直者」です。
そして、ここでようやく矛盾のないパターンが見つかりました。
A:犯人・ごまかす正直者
B:犯人・ごまかす正直者
C:無実・いつも正直者
他の可能性がなければ、これが正解になります。
Aが「いつも嘘つき」の場合・改
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
Aの発言より、「Aが犯人」「Bは無実」「Bは嘘つきグループ」です。
Bの「私は無実」という発言ですが、これが矛盾します。
「嘘つきグループ」の人物が無実だった場合、「自分が無実だ」とは言えません。
したがって、この可能性はありえません。
Aが「正義の嘘つき」の場合・改
A「私は無実だよ。Bが犯人だよ。Bは正直者だよ」
B「私は無実だよ。Aが犯人だよ。Cは私とはちがうタイプだよ」
C「私は無実です。Aが犯人です」
正義の嘘つきは「自分が無実」とは言えません。
したがって、この可能性はありえません。
答え
A:犯人・ごまかす正直者
B:犯人・ごまかす正直者
C:無実・いつも正直者
まとめ
いやー。
めっちゃ面白い問題でしたねー。
論理的思考の基本である「結果がおかしいなら前提を疑え」を実践できる、これ以上ない良問と言えるでしょう。
最終的に「ごまかす正直者」であるAとBが「自分は無実であると主張しつつ互いに共犯者を裏切って告発し合う」という地獄絵図さながらの構図になるのも示唆に富んでますね!
ちなみにこの問題を作成したのはTanya Khovanovaという数学者の方なのですが、この方のホームページで
読者「解けません。問題が間違ってませんか?」
作者「解けます。あることに気づけば、ですが」
読者1「これはすばらしい問題だ!」
読者2「ああ、なんてことだ!すばらしい!このパズルは最高傑作です!しかしネタバレして初見の人の楽しみを奪ってしまうのが申し訳ないからここに答えは書けない!」
っていうやりとりがあったのですが、確かにこれは答えを書きたくない問題です。
ぜひ自力で解いて、「発見」の爽快感を味わってください。