問題
10人の幼女が円卓に座っている。
幼女の正体は「騎士」か「王女」のどちらかである。
「騎士」は常に真実を言う。
「王女」は常にうそをつく。
10人のなかに「騎士」と「王女」がそれぞれ必ず1人以上存在する。
いま、2人の幼女が「私の両隣はどちらも王女です」と言った。
残りの8人の幼女は「私の両隣はどちらも騎士です」と言った。
さて、円卓に座っている騎士は何人だろうか?
さあ、解いてみよう!
ヒントはなし!!
すこし下にスクロールすると答えがあります!!!
正解
騎士は2人
ただし、特定の場合のみ、不特定の1人が騎士となる
解説
「私の両隣はどちらも王女です」と言った2人の幼女を「A1」「A2」とします。
「私の両隣はどちらも騎士です」と言った8人の幼女を「B1」「B2」…「B8」とします。
「私の両隣はどちらも騎士です」と言った”残り8人の幼女”は、騎士ではありません。
これは、常にうそをつく王女にしかできない発言です。
円卓に並んだ10人のうち8人の両隣が騎士だとすると、どのような並び方であっても「10人全員が騎士」ということになります。
しかし、全員が騎士ということになると、「私の両隣はどちらも王女です」と発言した幼女(騎士)2人の言葉がうそになってしまいます。
よって、「私の両隣はどちらも騎士です」と発言した8人の幼女が王女であり、「私の両隣はどちらも王女です」と発言した2人の幼女(A1,A2)が騎士です。
以上が「2人の幼女(A1,A2)が離れて座っている」場合の正解です。
一方、「2人の幼女(A1,A2)が隣同士で座っている」場合、2人のうち1人は騎士で1人は王女です。
A1とA2が隣同士で座ると、両隣の位置関係は以下のようになります。
王-A1-A2-王
A1もA2も共に「私の両隣はどちらも王女です」と発言します。
この瞬間、「A1とA2が両方とも騎士」という可能性は消えます。
2人の幼女は、隣の幼女が王女だと言っているからです。
また、当然ながら「A1とA2が両方とも王女」ということはありえません。
両人とも真実を言っていることになるからです。
つまり、どちらかが騎士でどちらかが王女です。
「私の両隣はどちらも王女です」と発言した1人の幼女Aが騎士で、それが真実であるがゆえに、全く同じコメントをしたもう1人の幼女Aは王女だと確定します。
このパターンにおいて、「幼女2人(A1とA2)のうちどちらが騎士でどちらが王女なのか」は絶対に分かりません。
『少なくとも1人は騎士がいる』
判明するのは、それだけなのです。
参考
My Favorite Problems from the Moscow Math Olympiad 2016
LXXIX Московская математическая олимпиада
Working test criteria for version 8 of the class
140字以内の問題文
10人の幼女が円卓に座っている
幼女の正体は、常に真実を言う「騎士」か、常にうそをつく「王女」のどちらかであり、それぞれ必ず1人以上存在する
2人の幼女が「私の両隣はどちらも王女です」と言った
残りの8人の幼女は「私の両隣はどちらも騎士です」と言った
さて、円卓に座っている騎士は何人だろうか?