会社に勤めていて死にそうな人は、理由はどうあれ辞めるべきです。
もし会社を去れない理由が「だって他人に迷惑がかかるから」だった場合は、なおさら今すぐ辞めるべきです
目次
まず最初に「会社辞めたい」と思った時の話
ぼくは新卒で入った会社を6ヶ月で辞めました。
いろいろ理由はありますが、一言でいうと「ブラック会社でつらかったから」でした。
辞める直前はいろいろ悩みました。
いろんな人に相談もしました。
もっとひどいブラック会社にいる友人や先輩の話を聞いて、「自分のところはまだそれほどでもない」と思うようにもなりました。
話を聞いてくれたすべての人に
「まだ入社して半年でしょ?」
「早すぎる」
「もっとひどい会社は沢山ある」
「3年間はがんばれ」
「甘えるな」
「もうちょっと頑張ってみなよ」
「社会をなめすぎ」
「採用してくれた会社に申し訳ないと思わないの?」
「それ色んな人に迷惑かけるよ」
「いま辞められると困る」
等、心温まるアドバイスをいただきました。
「他人に迷惑がかかる」と思って辞められなかった経験
「それ色んな人に迷惑かけるよ」
「いま辞められると困る」
最後まで縛り付けられたのがこの言葉でした。
「3年は働け」
「舐めてる」
「甘え」
「他はもっとひどい」
いくら自分をけなされても、他者の場合と比べられても、「それは今ぼくが死にそうなのとは関係ない」と一蹴することができました。
世間一般の基準がどうだろうが、それが今現在進行中で苦しんでいる自分を救ってくれるわけではないからです。
しかし。
他人に迷惑がかかる。
この破壊力は何なんでしょうか。
これだけで一気に辞めにくくなります。
少なからぬ時間を一緒に過ごした誰かの、負担になる。
見知った同僚たちに重荷を背負わせることになる。
率直に言って「それだけは絶対に避けたい」と思ってしまいました。
事実、ぼくの周りの友人知人も「だって今やめたら迷惑がかかるから」という理由で辞められない人が大半でした。
この言葉が枷となって、結局1ヶ月も辞めるのが先延ばしになりました。
まあ、結局は辞められたのですが。
なぜ「迷惑をかける」の魔力はすさまじいのか?
ぼくを含め、一般的に日本人は「他人に迷惑をかけてはいけない」ということをかなり強く教え込まれます。
強迫観念とすら言えるこの感情は、親の教育もあるでしょうが、それ以上に日本社会という構造によって生み出されます。
幼稚園で、保育園で、小学校で、中学校で、高校で大学で。
異端は取り除かれる社会。
共通悪とみなされたら共同体から排除される社会。
こうした世界において、「あいつは迷惑なやつだ」と認定されるのは致命的です。
さらに、いったん誰かに何かを知られると「それがあっという間に広まってしまう」という強烈な実体験も多数経験します。
多くの人は学生生活で共通の人間関係が継続しており、つまり「自分の過去を知っている人間がいつでも近くにいる」状態になります。
「過去の失敗は新しい環境でいずれ広まってしまう」
このように「過去は簡単に知られてしまう」という状況も手伝って、「他人に迷惑をかけたら絶対にバレて後々苦労するから他人に迷惑をかけてはいけない」という観念が醸成されることとなります。
どうすればいい?
もし会社で働いてて死にそうなら、辞めましょう。
「辞めても別に大丈夫だった」
「むしろもっと早く辞めておけばよかった」
と思った実体験から、他人の迷惑を考えずに辞めていい根拠を5つ紹介します。
会社を辞めるとき「他人の迷惑」を考えなくていい5つの理由
いつ辞めても絶対に迷惑はかかる
「いま辞められたら迷惑だからもう少し頑張ってよ」が引き止める際の常套句ですが、基本的にサラリーマンはいつ辞めたって迷惑がかかります。
絶対です。
今だろうが1年後だろうが20年後だろうが、あなたが会社に大損害を与え赤字を生成し続ける存在でない限り、いつ辞めたって必ず迷惑はかかります。
だったら今、辞めましょう。
「いまは大事な時期だから」と言って辞めなかったら「その後はもっと大事な時期だから余計に辞めづらくなった」とはよく聞く話です。
その迷惑は、そんなに負担じゃない
多くの場合、社員がひとり辞めることによる迷惑はそれほど負担ではありません。
誰かの作業量が少し増えるくらいです。
それであなたの命が救われるのなら、利己的に徹しましょう。
「いつか立ち直ったらお礼すればいい」くらいの気持ちで十分です。
外の世界にあなたを知っている人はいない
会社を辞めたからと言って、それが外に漏れることはありません。
「この業界にいられると思うなよ」みたいな脅し文句はありがちですが、いちいち他社の採用事情にまで影響を及ぼせるケースは極めて少数です。
なんならそれまでの経験を活かして新しい業界に挑戦するのも手です。
日本には1億2千万人がいて、そのうちサラリーマンとしてのあなたを知ってる人なんて数十人〜数百人くらいしかいないのですから。
実際ぼくはいろんな場所に行って色々な業種を経験しましたが、過去のぼくを知っている人は1人もいませんでした。
まあ、当然といえば当然なのですが。
他人の迷惑より、自分の命
あなたは何のために仕事をしていますか?
「他人のため」と答える人はそういないでしょう。
多くは「自分の生活費を稼ぐため」です。
生活費というのは「自分が生活するための費用」。
つまり自分が生きていくためのお金です。
自分が生きていくためのお金を得るために、死ぬほど自分の心身をすり減らして他人の迷惑を考えてる場合というのは、果たしてあり得るものでしょうか。
他人に迷惑をかけなかったからといって、それがあなたの命を救ってくれるわけではありません。絶対に。
死ぬほどつらいなら、躊躇なく会社を辞めましょう。
会社は何もしてくれない
もしあなたの勤める会社が「死後のアフターケア」「煩雑な転生の手続き」「天国でのあんしんサポート」「これで地獄に落ちない!今すぐ知っておきたいマストダイ7選」とかやってくれるなら会社に人生を捧ぐ選択肢も有りです。
世界トップクラスのリアルが充実した人生への転生が約束されているなら、その会社のために死んだっていいやとぼくも思います。
でも、ありえません。
そんな未来はありえません。
人間は死んだら終わりです。
死んだ後の世界がどうなのかは誰にも分かりませんが、ひとつ確かなのは、あなたの会社は別に葬式代も保険金も出してくれないし、死後の世界でのあれやこれやも何ひとつ肩代わりしてくれません。
会社は、そこで生きる人のための組織だからです。
有給もボーナスも福利厚生も、全部そこで生きていける人のためもの。
だから、そこで生きていけないのなら––働いてて死ぬくらいなら––辞めなければいけません。
まとめ
会社は、生きる人のための場所です。
そこに勤めて生きていける人だけがいるべき所。
ある特定の会社で働いてて死にそうだったら、もはや大前提が覆ります。
「迷惑がかかる」とか言ってる次元じゃなくて、むしろ「辞めるべき」なのです。