セブ語学留学体験記vol.18 いつの間にか英語上級者に

語学学校生活も3週間目が終わり、いよいよ残すところあと一週間となった。

帰国日は金曜の予定なので、セブで土日を過ごすのはこれが最後になる。

さぁどうしよう。
何処へ行こう。

何も思い浮かばなかったので、新しくできた友人と近場のマクタン島を観光することに決めた。

マクタン島に行ってみよう

マクタン島とは

マクタン島はセブ島に隣接する小さな島であり、マクタン・セブ国際空港やビーチリゾートを有する。
セブシティまでは車で30~40分といったところ。

風光明媚で知られ、一般的に「セブ・リゾート」というとこのマクタン島を指す。

外国からの移住者も多い。

海の綺麗さ・気候の良さは別格であり、まさに「南の楽園」と言うにふさわしいリゾート地である。

マクタン島観光

今回は、先日仲良くなったばかりの友人(先週語学学校に来た)2人と一緒にこのマクタン島を観光することになっていた。

まず目指すのは、観光スポットで有名な手作りギター製作所「アレグレギター工場」である。
ちなみにギターの直売りもしているという。

さて、セブシティの語学学校寮の前からタクシーに乗ったはいいものの、運転手が「アレグレギター工場」の存在を知らないという。

あいにく地図を持ってこなかったので、大変困った事態に陥った。

友人2人はまだ英語に慣れていないのでぼくが何とかするしかなかった。
いや、ぼくも何とかできる英語力があるワケではないのだが、とにかく何とかするしかなかった。

「空港の近くにあって、ギターを作っている工場です」と聞くと「いや、聞いたことがない」と返され、「では、空港の近くにあって、ギターを売っている場所に心当たりは?」と聞くと「ああ、知っているぜ」と返してくれたので、やれやれどうにか行けそうだと思い安心した。

数十分後、ぼくらが着いたのは寂れた雑貨売り場だった。
確かにギターは売っていた。
ものすごいぼったくり価格だったが。

結局、真のギター工場の場所を知っているタクシーが通りかかるまで待つことになった。

外国の観光時には地図が必須だと痛感した瞬間だった。

「英語ができる」条件

いきなり「英語うまい」と言われる

首尾良くギター工場を知っているタクシーをつかまえ、しばしの車旅となった。
助手席に座ったので、拙い英語であれこれドライバーと話し合う。

といっても「セブの海は素晴らしいですね」とか「語学留学で来ました」とかいった物凄く簡単な会話である。

しばらく話していたら、後部座席の2人の会話が耳に入ってきた。

「やばい、○○さん(←ぼくの名前)めっちゃ英語ペラペラですね

「ああ、あの人めちゃくちゃ英語得意だからな。俺も昨日あせったわペラペラすぎて」

!?

何が起こったのかと思った。
流暢なんてものには程遠いぼくの英語が、彼らには流暢に聞こえるという。

繰り返すが、この時ぼくが話していた英語は
“The sea is so beautiful in Philippines”(フィリピンの海はとても綺麗ですね)とか
“The people are very kind and friendly”(フィリピンの方たちはとても優しくてフレンドリーですね)とか、正確な文法すら怪しい中学生レベルの極めて簡単な英語だ。

語学学校来て確実に成長したスキルといえば発音くらいであり、それ以外の語彙・フレーズ・リスニング能力は相変わらず壊滅的な状態だった。

伝わらなかった場合は何度も言葉を変えて言い直し、聞き取れなかった場合は何度も聞き直すという、不格好な英会話だった。

お世辞ですら「英語が上手い」状態には程遠いぼくが、なぜ彼らには「英語が上手い人」に映ったのだろう?

「会話できるかどうか」

少し考えてある推論に達した。

恐らく一般的な日本人は、「ネイティブっぽい発音をしてる状態」「英語で(一応)コミュニケーションができる状態」であれば「英語がペラペラである」と判断するのではないだろうか、と。

曲がりなりにもその状態に達することが出来たのは、留学中に学んだ「瞬発力」「言い直し」「発音」というスキルのおかげだった。

瞬発力

留学直後のぼくは、「正しい文法」「正しい英語」を話そうとするあまり「ちゃんとした一文」を話すのに数十秒(ひどい時は1分以上)もかかっていた。

しかし英会話を重ねるごとに、英文法・語法的な正しさはそれほど重要ではなく、多少間違ってもいいからとにかく速くレスポンスを返すという瞬発力が何よりも大事なのだと悟った。

聞かれたことの返答に1分もかかっていたら、もはや会話とは言えない。

英語に限らず、会話はとにかくスピードが重要なのだ。

言い直し

また、英語が伝わらなかったらいくらでも言い直していいと分かったのも大切なことだった。

日本では英語は試験科目である。
そのためぼくは「英語は正しく使わねばならない」「英語は一発勝負でミスは許されない」という意識を根底に持っていた。
常に一発目から完全な英語を話そうとしていた。

だが、実際の英会話では「間違い」が許される。
ミスしてもいいのだ。

伝わらなかったら、伝わるまで何度でも言い直せばいい。

発音

英語を相手に伝え、相手の英語を聞き取る。
それを可能にするのが「発音」のスキルだ。

発音がダメだったらリスニングできないし、スピーキングもできない。

実際に英語を使うときに最も重要で基本的なこと。

これしか鍛えていないぼくが、普通の日本人の人に「英語ペラペラ」と評価された。

正しく音を発し、正しく音を受け取る「発音」は、もっと日本の英語教育の場で重視されてしかるべきなのだ。

マクタン島を歩く

やっとギター工場には着いた。
かなり大味なつくりのギターが並ぶ工場内、スキあらば市価の3倍の値段をふっかけてくる土産物店などを見て回ったら一瞬で本日の予定が消化された。

特にやることがないので、とりあえずマクタン島の住民街っぽいところを歩く。

コウノくんが「いやー暑いっすねーもう脱ぎましょう!」と言い出していきなり上半身裸になった。
見習ってぼくらも上半身裸になった。

セブは基本的に超南国である。
田舎の方だと男性の上半身裸はむしろデフォルト。
郷に入っては郷に従うまで。

そんな感じでぶらついてたら地元の子供たちが集まるストリートバスケに招待されて飛び入り参加したり、タクシーの客引きで寄ってくるフィリピン人に10分ほどつきまとわれたり、とりあえず寄ってみたビーチがものすごく綺麗で思わず泳いでみたり。

タクシーも食事もアクティビティもすべてが格安。

やっぱり遊ぶならマニラよりセブがいいなと思った。

あと、実はたいして英語がうまくないとバレないように発音以外の勉強もがんばろうと思った。