論理クイズ「幼女と26枚のお札」で鳥の詩が聞こえるか

問題

バッグの中に26枚のお札がある。

いま、幼女がバッグの中からランダムにお札を20枚取り出して机の上に並べる。

幼女がどんな風に20枚を選んでも、その内訳には少なくとも千円札が1枚、二千円札が2枚、五千円札が5枚存在する。

バッグの中に入っていたお札の総額は?

さあ、解いてみよう!

ヒントはなし!

少し下にスクロールすると答えがあります。

 

 

 

 

 

正解

7万8千円

解説

ブレイク

解説に入る前に、ちょっと学生時代のことでも思い出してみましょう。

勉強していて「これ、何の役に立つんだ?」と不思議に思った知識はないでしょうか。

高校数学で習う「鳩の巣原理」(ディリクレの箱入れ原理)に関して、そう感じた方は多いと思います。

「鳩の巣原理」

n個の巣箱に(n+1)羽の鳩を入れると、2羽以上入っている巣箱が少なくとも1個はある

簡単にいうと、
「9室しかない鳩の巣に10羽入れることはできない」
「9室しかない鳩の巣に10羽入れようとすると、どこか1室には2羽の鳩が存在することになる」
という原理です。

びっくりするほど当然すぎて「何だこれ」って思いますよね。
ぼくも思いました。

ただ、この当たり前の事実が数学の証明でものすごく役に立つ場合もあります。
格子点の問題とか。

ええ。

はい。

で。

今回の問題は「鳩の巣原理」を無意識的に使えていたかどうかがカギになります。

解説本題

26枚のお札が入ったバッグ。

そこから、幼女がいかなる20枚を取り出しても「少なくとも千円札が1枚、二千円札が2枚、五千円札が5枚存在する」という事実。

ここから、千円札・二千円札・五千円札の最低枚数(「少なくともこの枚数以上存在する」)を割り出せます。

「26枚のうち、どんな20枚を選んでもその中に少なくともn枚の千円札が存在する」
ということは、
「少なくとも、選ばなかった6枚分+n枚分の千円札が存在する」
ということです。

この問題でポイントになるのは、選んだ20枚ではなく選ばなかった6枚の方。

千円札が7枚(6枚+1枚)あれば、どんな風に20枚を選んでも必ずその中に千円札が1枚存在します。

7枚の千円札を、6枚の「選ばなかったお札」に押し込めることは不可能だからです。

※鳩の巣原理

千円札が7枚あると、どのように20枚を選んでも(どのように「選ばれない6枚」を選んでも)、必ず「選ばれた20枚」の方に千円札が1枚は存在することになります。

ここから、

千円札の枚数 ≥ 6 + 1

という構図が成り立ちます。

同様に、以下

  • 千円札の枚数 ≥ 6 + 1
  • 二千円札の枚数 ≥ 6 + 2
  • 五千円札の枚数 ≥ 6 + 5

となり、それぞれ

  • 千円札の枚数は少なくとも7枚以上
  • 二千円札の枚数は少なくとも8枚以上
  • 五千円札の枚数は少なくとも11枚以上

という結果になります。

さて、それぞれの最低枚数の合計は 7+8+11 = 26

そしてバッグの中に入っていたお札は全部で26枚。

すなわち、26枚のお金の内訳は

  • 千円札が7枚
  • 二千円札が8枚
  • 五千円札が11枚

つまりそれらを合計した7万8千円が正解になるわけです。

まとめ

いつもより少しだけ伝えたいことたくさんあるけど

大切なものはきっと手に入れるものではなく
気づかないうちにすでにそばにあるもんです

参考サイト

theguardian

140字以内の問題文

バッグの中に26枚のお札がある。

いま、幼女がバッグの中からランダムにお札を20枚取り出して机の上に並べる。
幼女がどんな風に20枚を選んでも、その内訳には少なくとも千円札が1枚、二千円札が2枚、五千円札が5枚存在する。

バッグの中に入っていたお札の総額は?