難問論理クイズ「幼女と20人の芸術コンテスト」が解けたらIQ150

問題

幼女20人による芸術コンテストが行われた。

審査員9人が、それぞれの幼女に対し「1位〜20位」のランクをつけた(※1)

幼女たちの最終スコアは「9人の審査員から与えられたランクの合計数」であり、最終スコアが最も少ない幼女が優勝となる(※2)

ここで最終スコアを調べてみると、すべての幼女は「自分の最高ランクと最低ランクの差が3以下」であることが分かった(※3)

さて、優勝した幼女の最終スコアが最も大きくなる場合、その最終スコアは何点だろうか?(※4)

※1..20人の幼女がそれぞれ、審査員9人から何らかのランクを与えられている
※2..たとえば「1位」を9回獲得した幼女は最終スコア「9」となり、ぶっちぎりの優勝となる
※3..例)
ありえる→「1位、1位、3位、2位、4位、1位、1位、1位、2位」
ありえない→「1位、5位、….」(最高ランクと最低ランクの差が4以上なため)
※4..優勝した幼女は何人いてもよい

さあ、解いてみよう!

はい。
何か複雑ですね。

「わからん!」
って叫んで考えることをやめたくなるような文章ですが、こんな時こそ真の論理力が試されます。

実際かなり難しい問題ですので、解くためには高度な数理的センスが必要です。

少し下にスクロールすると答えがあります。

 

 

 

 

正解

24点

解説

ランク数が少なくなるほど優勝に近づく。

なのに求める答えは「優勝者の最大スコア」。

途中で混乱した方も多いのではないでしょうか。

理解にやや時間がかかる展開になりますので、じっくり読み進めていってください。

1位を取れるのは最大4人

まず、「1位のランクを与えられる幼女は4人まで」という大前提を発見することが最初のカギになります。

すべての幼女は「自分の最高ランクと最低ランクの差が3以下」

上記の条件により、ランク1位を与えられた幼女のランク枠は「ランク1,2,3,4位」で埋め尽くされます。
もしランク1位を与えられた幼女がひとつでも「ランク5位」を取ってしまうと、条件に反するからです。

さて、ランク1位を取ったのが4人である場合、問題はありません。
ランク1位を取った幼女は「ランク1,2,3,4位」しか取れませんが、審査員が9人いるので4×9=36個の「ランク1,2,3,4位」を分け合えばいいからです。

4人の幼女のランク枠36個に対して、審査員9人の「ランク1,2,3,4位」数が36個。
ぴったりセーフです。

しかしランク1位を取ったのが5人である場合、条件が成立しません。
5人の幼女のランク枠45個に対して、審査員9人の「ランク1,2,3,4位」数は36個。
幼女のうち必ず1人は「5位以下」のランクを与えられることになり、条件不成立となります。

よって、ランク1位を(ひとつでも)与えられる幼女は最大4人までです。

「ランク1位」をもらったのが1人の場合

もし幼女1人だけが「ランク1位」を9つ獲得したら、その最終スコアは9です。

「ランク1位」をもらったのが2人の場合

もし幼女2人で「ランク1位」を9つ獲得したら。

優勝する幼女の最終スコアが最も大きくなるのは、どちらかの幼女が「ランク1位」を5つ獲得した時。

「ランク1位」が4つ以下だと準優勝になり、「ランク1位」が6つ以上だと最終スコアが少なくなるからです。

この時、優勝する幼女の最終スコアは
1位×5つ + 4位×4つ = 21
となります。

「ランク1位」をもらったのが4人の場合

もし幼女4人で「ランク1位」を9つ獲得したら。

【1位を取れるのは最大4人】の章で確認した通り、この幼女4人は「ランク1,2,3,4位」のいずれかしか与えられません。
幼女4人で、9つの「1」「2」「3」「4」を山分けします。

すなわち4人の最終スコア合計点は
9 × (1 + 2 + 3 + 4) = 90

90 ÷ 4 = 22.5

上記より、もし誰かが23点以上の最終スコアを取ってしまうと、その時点でその幼女は優勝できなくなってしまいます。
1人が23点を取ってしまうと、その他の3人の最終スコアの内訳は(もっとも均等な場合でも)23,22,22となり、22点の幼女が優勝してしまうからです。

優勝者が4人の場合、少なくとも1人の幼女の最終スコアが22点以下となり優勝する……。

すなわち、この場合の優勝者が取れる最大スコアは22になります。

「ランク1位」をもらったのが3人の場合

長かった……。
ようやく本題です。

この場合、優勝者の最終スコアが最も大きくなるのは「3人がランク1,3,4位を与えられて、その合計値をきれいに3分割している場合」のみ。

もし合計ををきれいに3分割していない場合、幼女の最終スコアがそれぞれ違うものになるので最終スコアが最も小さくなった幼女が優勝してしまいます(”優勝者の最終スコアが最も大きくなるのは何点の時?”という前提から外れる)

また、1人でも「ランク2位」を取ってしまうと、同様に最終スコアが小さくなるのでその人物が優勝してしまいます。

そして3人の最終的に同着1位になったとすると、その最終スコアは

9 × ( 1 + 3 + 4 ) ÷ 3 = 24

となります。

よって、この場合の優勝者が取れる最大スコアは24になります。

ちなみに。
「ランク1位を取った3人の最終スコアの内訳」は何でもOKです。

たとえば幼女A,B,Cがそれぞれ【1位3回】【3位3回】【4位3回】を取ってもOK。
また、Aが【1位4回】【4位5回】、Bが【1位3回】【3位3回】【4位3回】、Cが【1位2回】【3位6回】【4位1回】、この場合でも3人の優勝者はそれぞれ24点を獲得しています。

優勝しなかった残り17人のランク分けはもう本当にテキトーでいいです。

たとえば:
Dは【2位5回】【5位4回】で最終スコア30、最終順位4位
Eは【2位4回】【5位5回】で最終スコア33、最終順位5位

など。

結論

まとめましょう。

「ランク1位」をもらったのが1〜4人の場合で優勝者が獲得できる最終スコアの最大値は以下のようになります。

「ランク1位」が1人の場合: 9
「ランク1位」が2人の場合: 21
「ランク1位」が3人の場合: 24
「ランク1位」が4人の場合: 22

以上より、正解は24です。

ちなみに「優勝者が1人だけ」という制限があった場合、正解は23になります。

参考

ロシア数学オリンピックの問題より(Problem 108)

http://www.mat.uc.pt/~delfos/PROB-RUSSIA.pdf
http://www.mat.uc.pt/~delfos/SOL-RUSSIA.pdf