星空が好きな方なら一度は見たいと願う、南半球でしか見えない「南天の星座」。
北半球に属する日本では、南天の星を見ることはなかなか難しいものです。
しかし、本州よりはるかに緯度が低く赤道に近い沖縄であれば、南天の星座をいくつか観測することが可能です。
今回は沖縄の中でも、かなり南方に位置する宮古島から見える星座をまとめてみました。
宮古島で見れる星座一覧
春の星座
本州でも見える星座
- おおぐま座
- うしかい座
- おとめ座
- しし座
- からす座
- うみへび座
- コップ座
- りょうけん座
- かみのけ座
- かんむり座
- りゅう座
- ぎょしゃ座
- ペルセウス座
- カシオペア座
- おおいぬ座
- こいぬ座
- てんびん座
- かに座
南天の星座
- ほ座
- とも座
解説
本州で見える星座の多くを観測できます。
うしかい座のα星アークトゥルス、おとめ座のα星スピカ、しし座のβ星デネボラにより形成される春の大三角はもちろん、春の大曲線も見られます。
春の南天の星座はほ座・とも座の2つ。
ほ座は沖縄県那覇市以南でないと全体像が見えない希少な星座です。
ほ座のδ星とκ星、りゅうこつ座のι星とε星を結ぶと十字架の形になります。この十字架は「みなみのじゅうじ座」と見間違えやすいため「ニセ十字」という名称がついています。
とも座は日本では南の低い空にしか上らない星座で、新潟県新潟市以南でしか全域を見られません。
大きな帆船の船尾のかたちを表した星座です。
夏の星座
本州でも見える星座
- さそり座
- はくちょう座
- こと座
- ヘルクレス座
- へびつかい座
- かんむり座
- へび座
- やぎ座
- いて座
- こぐま座
- りゅう座
- おおぐま座
- りょうけん座
- ケフェウス座
- カシオペア座
- てんびん座
- おとめ座
- からす座
- いるか座
南天の星座
- おおかみ座
- ケンタウルス座
解説
基本的には北天の星座が多くを占めます。
はくちょう座α星デネブ、わし座α星アルタイル、こと座α星ベガを結ぶと浮かび上がる有名な夏の大三角は、シンプルかつロマンチックで夏を代表する風物詩であることから多くの作品の題材に用いられています。君の知らない物語は素晴らしき日々でした。
夏の南天の星座はおおかみ座・ケンタウルス座の2つ。
おおかみ座は大分県大分市より南の地域でないと全域が見えない星座です。
今でこそ「狼」の名がつけられていますが、古代ギリシアではケンタウルス座の一部とされていたほか、単に「野獣」と呼ばれたりしていました。
ケンタウルス座は沖縄や小笠原諸島の一部でないと全域が見えない星座で、ほとんどの地域では全体像の半分程度しか視認できません。
紀元前5千年紀に成立した最も古い星座の1つであるこの有名な星座は、全天に21個しかない1等星を2つも抱えており、α星のアルファ・ケンタウリ(リギル・ケンタウルス)は特によく知られた星です。
秋の星座
本州でも見える星座
- カシオペア座
- ペガスス座
- アンドロメダ座
- ペルセウス座
- みずがめ座
- くじら座
- うお座
- さんかく座
- おひつじ座
- ケフェウス座
- いて座
- やぎ座
- こぐま座
- りゅう座
- こと座
- ヘルクレス座
- うしかい座
- かんむり座
- いるか座
- みなみのうお座
南天の星座
- インディアン座
- ほうおう座
- つる座
解説
ペガスス座α星、ペガスス座β星、ペガスス座γ星、アンドロメダ座α星の4つを結んでできる秋の四角形(ペガススの大四辺形)が美しく映える季節。
天の川が圧倒的な夏や1等星が乱舞する冬に比べると、どうしても地味な印象になってしまう秋の夜空ですが、沖縄宮古島においては多くの南の星座が観測できる時期でもあります。
秋の南天の星座は3つ。インディアン座・ほうおう座・つる座。
インディアン座は大航海時代に発見された比較的新しい星座なので、古代神話が存在しません。インディアンが矢を持って立つ姿がモチーフになっています。
ほうおう座は著名な南天の星座のひとつで、北緯50度より高い緯度では星座の一部すら全く見ることができません。夏のオーストラリアや南アフリカなどで克明に見られ、日本では鹿児島県より南で観測できます。
日本名の「ほうおう座」は「鳳凰」から取られていますが、本来はフェニックス(不死鳥)をモチーフにした星座で、英語名もPhoenixです。
つる座も鹿児島県以南でないと観測できない南半球の星座です。
もともと「つる座」と呼ばれていましたが、一瞬だけ「フラミンゴ座」になりかけ、最終的にオリジナルの「つる座」に落ち着きました。
冬の星座
本州でも見える星座
- オリオン座
- おうし座
- おおいぬ座
- ふたご座
- ペルセウス座
- ぎょしゃ座
- こいぬ座
- かに座
- うさぎ座
- はと座
- うお座
- くじら座
- しし座
- おおぐま座
- カシオペア座
- ケフェウス座
- アンドロメダ座
- ペガスス座
- こぐま座
- りゅう座
南天の星座
- エリダヌス座
解説
1等星が全天にきらめく冬の空。
天の川が流麗な夏と並んで高い人気を誇る季節です。
おおいぬ座α星シリウス、こいぬ座α星プロキオン、オリオン座α星ベテルギウスを結んでできる冬の大三角や、シリウスとプロキオンにふたご座β星ポルックス、ぎょしゃ座α星カペラ、おうし座α星アルデバラン、オリオン座β星リゲルを結ぶと完成する冬のダイヤモンドなど見どころには欠きません。
すばるの和名でもお馴染みのプレアデス星団が見えるのもこの時期です。
沖縄県宮古島市で見える冬の南半球の星座はエリダヌス座。
星座の全体像は鹿児島県以南でないと確認できません。
特に星座の南端部に位置し本州の多くの地域から見えない場所にあるα星は、全天21の1等星のひとつアケルナル。非常に高速に回転しているので、半径が自転軸よりも赤道で約50%大きいという「最もつぶれている星」のひとつとしても有名です。
まとめ
本州では珍しい南天の星を楽しめる沖縄。その中でも南方に位置する宮古島では数多くの南の星座を観測できます。
上記に挙げたものは「星座の全容が視認できる」ものであって、「星座の一部なら視認できる」ものまで含めるとさらに多くの南天の星座を見られます。
宮古島、ひいては沖縄にお越しの際はぜひ夜空の星見を楽しんでください。
※当記事は宮古島市総合博物館の星座情報を元に作成しました